カンニング竹山さん(撮影/今村拓馬)
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(C)朝日新聞社
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 東京五輪の日本メダルラッシュのニュースとともに卓球男子の水谷選手、体操男子の橋本選手、体操女子の村上選手への相次ぐSNSでの誹謗中傷が取りだたされている。つい最近もTwitterで炎上したばかりのお笑い芸人のカンニング竹山がSNSでの誹謗中傷に斬り込む!

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 東京五輪に出場している選手に対する誹謗中傷が行われていたが、率直な思いとして、意味がわからない。そもそも冷静に考えてみると、SNSで個人に対して書き込みなんてしないですよね。普通ね。普通の人というか常識的な考えを持っている人は個人のSNSに書き込みなんてしない。

 たとえば、竹山というオリンピック選手がいたとして、そいつに「竹山、その眼鏡変えろ!」だとか「選手のくせに何太ってんだ!」とか「オマエ、嫌いなんだよ負けろ!」だと「どの面下げて五輪に出てきてんだ!」とかって、書かないですよね。書かない倫理観を大多数の人は持っています。もちろん、そんなことは面と向かって言わないし。

 ということは、そういうことを書き込んでいる人間というのは、匿名だからどこの誰だかわからないからイタズラに書いてやろうと思っている。書き込みまでするほど相手に対して感情の揺さぶりがなかったとしても書き込む。街中のイタズラ書きと一緒。

 そういう感覚で書いてやろうという考えが一点。もうひとつ考えられるのは人間の裏の心というか、裏の心の叫び。独り言を言っているのもなんだし、本来ならば本当に仲のいい友達と半分笑いながら話したいようなことを書き込む。でも、そういう事を話せる人間関係も持っていないから、文字にして残して、どうせバレないと思って書いているのではないか?

 このように考えると、五輪の選手に対して誹謗中傷してきているヤツって、人口の1割もいないと思うんですよね。SNS上での1割っていうのは国民全体からしたら人数は少ないのかもしれないけれども、書き込まれたものは文字として残ってしまう。残りの9割の人は書き込みなんかしないんだけど、厄介なのは文字として残り、書かれた被害者も、9割の書いていない人も読めてしまう。じゃぁ、誹謗中傷は見なければいいって言う人もいるけど、それは通用しない。文字として形が残って、誰でも、いつでも見る事ができるから。

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他人の悪口を書き込む人は本当に変な人