昔の選手は国の栄誉だった。いまは企業の宣伝を背負っている。変わってしまったものだ。人間の社会はどんどん変わっていく。
コロナが収束しても、別のウイルスが出てくるかもしれない。コロナよりもっと強力なものが出てくると覚悟しないといけない。人類はいろいろなものと闘ってきた。国が基礎科学研究にもっと予算を組まないといけないが、いまは応用研究ばかりになっている。五輪よりも、第二のコロナにどう対応するのか、国がもっとお金をつぎ込んでいかないといけない。
(構成/本誌・浅井秀樹)
かめい・しずか/政治家。1936年、広島県生まれ。東京大学卒業後に会社員、警察庁の勤務を経て79年に衆院議員に初当選し、13期務め、2017年に引退。自民党政調会長、運輸相、建設相、金融・郵政改革担当相などを歴任。国民新党代表、死刑廃止を推進する議員連盟の会長も務めた。
※週刊朝日 2021年9月3日号