既に警察には被害届を出したものの「こういう盗難事件では、品物が返ってくることはなかなか難しいとは覚悟しています。映像を見る限り、犯人はツイッターを見ているタイプでもなさそうですし……」と話す。ただ、既に大きな話題となっており、テレビでも報道されているので、犯人がなんかしら目にする可能性はある。コトが大きくなることで、犯人が自主的に返却するのを期待するしかなさそうだ。
また、新保さんが肩を落とすもうひとつの理由が、今回のコラボのれんは世界で一つしか存在しない特注品だったということだ。コラボが決まって、のれんのデザインなど「手が器用なうちのスタッフ」(新保さん)が丁寧に作った物だった。同アニメ側の担当者とデザインなどのやりとりをしながら、のれんの縫製などに約3週間をかけた。制作費用は計10万円ほどかかったという。
一点ものだったがゆえに、盗難された物と同じのれんをすぐに作るのは難しい。ただ、「盗まれたとはいえ、コラボ期間中ですし、緊急で優秀なスタッフがすぐに代わりののれんの制作にとりかかってくれた」(新保さん)
この緊急事態に対して、同アニメ側の担当者も即座に対応してくれて、デザイン自体は簡易なものにし、近所のプリント会社など活用しながら15日の営業開始に間に合わせた。
盗難犯がのれんを返しにくるまでは、代わりののれんが銭湯の玄関を飾る。(大塚淳史)