カンニング竹山さん(撮影/今村拓馬)
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写真はイメージ(GettyImages)
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 ここ最近、テレビ番組で容姿イジリはいじめにつながるからダメ、痛みを伴う笑いのネタは不快だからダメ……とコンプライアンスの下にお笑いは苦境に立たされているのか? お笑い芸人・カンニング竹山さんは「知恵を絞れば、こんなに面白い!」と推す番組があると言う。テレビとコンプラを考える時に思い出す、ある大切な言葉も教えてくれた――。

【アンケート結果】「テレビを見ていて信用できないと思う人」1位は?

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 テレビとコンプライアンスという話でいつも思うが、テレビが色々な事をできなくなったとか言われ、それを当たり前のように口にしてしまっている。「いつからこうなっちゃったんだろう」とか、「テレビで色々な事ができなくなってダメだよねー」って言いながら、僕らは日々テレビに出ているんですよね。「それって、どうなんだろう?」って思う時がある。

 よく言われるように、テレビを含む動画の視聴方法は分散化はしていて、ネットならコンプラを気にせず色々な事ができるかと言えば、そこでも大手ではめちゃくちゃな事はできないわけですよ。僕が出演している番組もあるインターネットテレビのABEMAにもルールがある。

 昔、テレビしかない時代の方がもっとめちゃくちゃやっていた。めちゃくちゃな事ができなくなっていると言われているのは、分散化されていたり、コンプラって言われるのもあるけど、その元はSNSの出現で色々な人が発言できるようになったからですよね。

 コンプラに引っかかって一番怖いことは、テレビ番組のスポンサーへの不買運動だと思うんです。不買運動が起きると、スポンサーさんが怒るのはもちろん、直接被害を受ける。昔は、文句言いたいところに被害を起こす行動はできるんだけど、間接的にしかできなかった。

 例えば、竹山テレビ局の番組に竹山食品がスポンサーについていて、その番組の出演者が不快なことを話して、その文句はまず竹山テレビ局に行きますよね。テレビ局に文句を言う以外、昔は手立てがなかった。文句を言っている人が著名でそこそこ売れていたらテレビで発言したり、活字メディアに書いて発信することはできた。一般の人たちには発信するすべがなかった。もちろんデモ抗議というのは昔からありました。

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SNSでややこしい時代に