
この人一人ではとても女性の代表とは言えない。その意味で全く両極と思える野田さんが出てくれてよかった。女なら誰でもいいというわけではない。
国会議員は様々な分野で女性の登用が言われるが、数の問題ではない。どういう考えの持ち主か。女性の立場を理解してジェンダーギャップやマイノリティ問題等に取り組む人かどうかを吟味せねば。
田原総一朗さんが音頭をとって立ち上げた、超党派の女性議員の勉強会に同席した。野田さんはじめ野党は立憲の辻元清美さん、共産の田村智子さんたちが参加して話し合う。
そこでは女性同士のシンパシイと意見にも共通点が感じられた。
女であることではなく、男女を問わず、様々な問題に個として向きあい、お互いに理解を深めて欲しい。そうすれば女性の首相も期待出来るというものだ。
下重暁子(しもじゅう・あきこ)/作家。早稲田大学教育学部国語国文学科卒業後、NHKに入局。民放キャスターを経て、文筆活動に入る。この連載に加筆した『死は最後で最大のときめき』(朝日新書)が発売中
※週刊朝日 2021年10月22日号