ペットはもはや大事な家族。読者とペットの愛おしい日常のひとコマをお届けします。今回の主役は、犬のネネちゃんとベニちゃんです。
【写真】こんな姿見たことない! 枯れ葉をやさしく抱えて立ち上がる猫
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繁殖犬だったネネ(写真右、6歳)。子犬を産めない年齢になったため、ブリーダーから里親募集に出されていた。
亡くなった愛犬に雰囲気がそっくり。わが家にお迎えしようと決めた。
ネネの引き取りが決まった後、改めて写真を見ると、ネネの横に小さくて可愛らしい子が写っていた。同じブリーダーからの繁殖引退犬で、写真を拡大したら、ネネと口元が似ていた。そして全盲と書かれていた。
ネネは、わが家に来る時に生まれて初めて外の世界へ出る。移動や新しい環境での生活のストレスは相当なものだろう。
ましてや全盲と書かれたこの子が、移動や新しい環境での生活を一匹でするとしたら……そう考えたら胸が締め付けられた。でも、同じ所から来たネネと一緒だったら少しは負担が減るのではないか。2匹一緒にお迎えしよう。そう決めて、その子を「ベニ」(同左、4歳)と呼ぶことにした。
仲介業者へ問い合わせた結果、ネネとベニは異父姉妹もしくはいとこで、ベニは全盲ではないとのことだった。太陽の下を歩くことや風にあたること、お出かけやドライブ、テレビやお風呂、ベッドで人間と一緒に寝ること……。2匹にとって新しい生活の全てが新鮮だったみたいで、目をキラキラさせながらいろんなことを経験している。
おっとりしたお姉さんのネネと、何をしでかすかわからない予測不能な妹のベニ。対照的な2匹に、私たちは毎日爆笑と笑顔と素晴らしい時間をもらっている。
“お座り”や“待て”なんか覚えなくていい。これからは自分たちのためだけに生きて、いろんなことを経験して目をキラキラさせ、穏やかな犬生を歩んでいってほしい。(高松市/35歳/医療従事者)
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※週刊朝日 2021年10月22日号