11月8日に投開票された米中間選挙。上院は民主党が多数派を維持し、下院は共和党がリードしている。両党の2024年の大統領選に向けた今後の動きが注目される。2022年11月21日号の記事を紹介する。
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世界も注目する24年大統領選挙はどうなるのか。民主・共和双方は、すでに動き出している。トランプ氏の「内輪」のメディア大手から批判が噴き出したのもその表れだ。果たして共和党から、トランプ氏が15日にも立候補を表明するのか。超がつく激戦州であるフロリダ州で今回、伝統的に民主党に流れる移民・女性票を集めたデサンティス氏にも期待が集まっている。
一方、民主党は、再出馬の意向を示しているバイデン氏が、2期目を狙わず若手にバトンを渡すのかどうかが焦点だ。候補としては、カリフォルニア州のギャビン・ニューサム知事や女性のウィットマー・ミシガン州知事、さらに黒人のハリス副大統領らの名が浮かんでいる。
8日午後のニューヨーク市内投票所には、両党が政策として示しきれていない「将来の姿」を思い描いている若い有権者たちがいた。
「私の投票が、米国の未来を作る」(大学1年生、共和党支持)
「全ての人の権利と環境の保護を支持する」(金融業、民主党支持)
「人権と女性の権利」(小売業、民主党支持)
とそれぞれの投票への思いを語った。
共和党は白人男性有権者の支持が強いものの、トランプ時代を脱却する動きが顕在化した。民主党はさらなる多様性を目指し、ジェンダーや人種にかかわらず強いリーダーを求める若い有権者に力強く支えられている様相が浮かび上がっている。
(ジャーナリスト・津山恵子=ニューヨーク)
※AERA 2022年11月21日号より抜粋