公益通報者保護法にもとづく民間事業者向けガイドラインでは、通報者への不利益は厳しく禁じるのは当然のこと、判明した場合は救済や回復が必要だとされている。
日本郵便は筆者の取材に対し、こうコメントしている。
「今回、被害にあった局長に対しては、大変申し訳なく思っており、会社として誠実に対応していきたい。今後、地区連絡会の役員人事については、業務上の必要性、能力、適性などを考慮し、本人希望も踏まえた対応をしていきたい」
日本郵便の親会社、日本郵政の増田寛也社長は10月29日の記者会見で、こう述べた。
「当時の処分やケアに問題があったのではないかと思う。職場関係や人間関係が悪化したのは間違いなく、会社としてのケアがまだ不十分なところがある。ひとりひとりの考えを聞きながら、被害にあった人たちによく話を聞いて、会社としてケアをやっていく」
被った不利益は取り返しがつかない場合も少なくないが、会社が誠意をもって被害者と向き合い、内部通報制度のあり方を根本から見直すことがせめてもの償いとなるはずだ。
(朝日新聞経済部 藤田知也)