
「CSは阪神の課題が凝縮されたような2試合でした。こうなると、シーズン前半戦の快進撃は“幻”だった、ってことになりますよね。阪神はチーム力がついた、と言われてましたが、他チームはコロナ禍で外国人選手の合流が遅れていたのに阪神の外国人選手は間に合って、その差が大きかったのも事実です」(ベテラン記者A)
だが、こんな体たらくにもかかわらず、阪神フロントは既に9月、矢野燿大監督に続投要請していて、CS敗退の翌々日、続投が決定したのだった。
「2008年、北京五輪があったシーズンに、2位に最大13ゲーム差を付けて首位に立っていたのに引っくり返されたときの岡田監督は『辞める』と言って意地を見せてましたけど、矢野さんはそういうタイプじゃない。続投しろと言われれば断りません。08年は五輪代表に招集された新井貴浩が故障してボロボロになって戻ってきて後半戦は戦力にならなかった、という同情の余地があったけど、今回、東京五輪に招集された阪神の選手で新井のように壊れて戻ってきた選手はいないですけどね」(同)
別のベテラン記者は、矢野監督が続投となった理由をこう推測する。
「次の次の監督は藤川球児、と言われてますが、次の候補がいない、というのが実態。現役続行にこだわってロッテに移籍してしまった鳥谷敬が今季で引退し、このCSの解説をしたとき、まんざらでもなさそうな発言をしたように報道されてましたけど、彼は阪神を出ていったとき、実はケンカ別れでした。すぐ戻ってくるとは思えません。そんなこともあっての矢野続投なんだと思います」(ベテラン記者B)

このCS第1戦でスタメンから大山悠輔、梅野隆太郎、佐藤輝明を外した矢野監督の選手起用に疑問の声が上がり、選手との信頼関係が不安視されているのが気になる。
矢野監督と梅野の関係は微妙だと前から言われていたが、その梅野がFA権を取得し、流出する可能性があるとか。前半戦快進撃の立役者・ジェリー・サンズも、調子を落として調整中だった2軍で結果を出しても監督はCSの登録メンバーに入れず、退団濃厚。来季以降の戦力ダウンは避けられない。