「初心者にやさしい投資信託」11本(AERA 2021年11月22日号より)
「初心者にやさしい投資信託」11本(AERA 2021年11月22日号より)

 ここでつみたてNISAの非課税期間は最長20年だから、“5年間しか非課税にならない一般NISAや新NISAは損”と考えるのは早計。買い付けられる金額と非課税期間をごっちゃにして判断するのはよくない。

「利益が非課税になる期間を延ばすか、元本そのものを積み上げるか」の選択だ。運用状況にもよるが、たとえばつみたてNISAでも一般NISAでも全く同じ投資信託を積み立てるなら、元本を積んだほうが運用効率は高まるはずだ。逆に「月3万円以上は投資に回せない」と決まっているなら、つみたてNISAだけを続ければいい。

 一般NISAは個別の日本株やETFを選びたい人が使うものというイメージも強いが、米国株式や先進国株式などの投資信託を買うことも可能だ。つみたてNISAのように「自動積み立て」もできる。年120万円までだから、毎月積み立てなら1カ月10万円が上限。

 つみたてNISAから一般NISAへの切り替え手続きは、楽天証券のみネットで即時完結する(楽天証券のつみたてNISA口座を持っている場合)。それ以外の証券会社は書類手続きのため、できるだけ早く切り替えを申し込むのが無難だ。

 なぜ金融庁は、「すべてのNISAを乗り換えながら使えます」と告知してくれないのか。せめて金融機関が教えてくれたらいいのに。そう言うと、あるネット証券担当者は答えた。

「金融機関というものは『できないこと』に関しては、ホームページで正確にお知らせします。でも『できること』をすべてお知らせしていたら、膨大な情報量になり収拾がつきません」

 なるほど。自分の頭で考えて賢く投資しろ、ということか。(経済ジャーナリスト・安住拓哉、編集部・中島晶子)

AERA 2021年11月22日号より抜粋

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中島晶子

中島晶子

ニュース週刊誌「AERA」編集者。「AERA」とアエラ増刊「AERA Money」の編集担当。投資信託、株、外貨、住宅ローン、保険、税金などの経済関連記事を20年以上編集。NISA、iDeCoは制度開始当初から取材。月刊マネー誌編集部を経て現職

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