さて、ここからが本題。つみたてNISAを始めると、「毎月3万3千円といわず、もっと非課税で積み立てたい」と思う人も多い。ただ、「いったん、つみたてNISAを始めたら一般NISAには変更できない」と思っている人も意外にいる。
「一般NISAとつみたてNISAを同時期に『併用』することはできません。しかし『乗り換えていく(順番に消化する)』ことは制度的には可能です」
ということは、2023年12月に終了する一般NISAを先に消化すれば、非課税投資枠が年120万円×2年間で240万円増える。そのまま2028年終了予定の新NISAに移行すれば122万円×5年間で610万円、さらに非課税投資枠が増える。一般NISAと新NISAを合計すると7年間で850万円もお得に投資できる。この二つを消化してから、つみたてNISAをしてもいい。
「既につみたてNISAを始めている人も、12月までに“2022年1月からは一般NISAにします”という手続きを完了させれば切り替えられます。念のため利用している金融機関に確認してください」
そんな“寄り道”もできるとは。早速、確認した。人気のネット証券4社(SBI証券、松井証券、マネックス証券、楽天証券)に書面で詳細な質問を送付。その回答を要約する。
(1)いまつみたてNISAをしていても、2022年から一般NISAに切り替えられる
(2)一般NISA終了後、2024年からは新NISAに移行できる(ここでつみたてNISAに戻すことも可能)
(3)新NISAの買い付け期間5年が終わったら、再びつみたてNISAへの切り替えも可能
■投資元本の増加優先
NISAの「乗り換え」は可能だった! つみたてNISAだけなら800万円の非課税枠が、すべてのNISAを使えば総額1450万円に(現行のままつみたてNISAの延長がなかった場合)。
これはぜひ実践したいワザ、いや正攻法だ。若者なら順調に非課税投資枠を増やせる。40~50代で貯金がある人は、毎月の収入から積み立てるというより「ためてきた円預金の半分を投信に移動したい」などのニーズも強い。非課税期間は5年とつみたてNISAより短いが、年120万円まで買える一般NISAや年122万円まで買える新NISAを先に利用したほうが、投資元本を早く増やせる。