緊急事態宣言が明けた今秋の岐阜・高山のにぎわい
緊急事態宣言が明けた今秋の岐阜・高山のにぎわい

 利用者から、「これなら絶対密にならないから安心すぎる」と評された旅行企画が大ヒットしている。体験型の旅行を提案する「ベルトラ」が企画した「日本の離島ツアー」がそれだ。

「コロナ禍で海外旅行に行けなくなり、昨年は多数のツアーがキャンセルになりました。観光業の苦境の中、何とか持ちこたえようと努力してまいりましたが、年が明けてもコロナ禍は続き、Go Toトラベルもすぐに終わってしまった。何とかしなければと、離島の人々と安全対策などの協議を重ねた末、4月にスタートさせたのが離島ツアーです」(ベルトラ国内事業部・赤尾想子さん)

 与論、沖永良部、対馬、八丈など10の離島ツアーが用意されている中でのおススメは、長崎の「五島列島キリシタン物語」。現地発だがバス周遊(4千円)やクルーズ船周遊(1万5千円)などキリシタン遺跡を巡り、新鮮な魚介を使った五島の地元飯が楽しめるコースが数多く用意されているという。それぞれ専門のガイドが付く。

 長崎発着・五島宿泊のツアーもある。

「企画をスタートさせた4~5月には数十人のご利用でしたが、7~8月には百数十人に増え、9~10月は250人近いお客様にご利用いただきました。11月に入ってからは、さらにこれを上回る勢いです。選んでいただいたきっかけは密にならない旅行先としてだったとしても、本社のビジョンでもある『旅は人との交流』が楽しめる点が喜ばれています」(同)

 混雑しそうにない、マニアックな場所を巡るツアーも人気だ。日本旅行の大阪法人営業統括部が企画する鉄道・バスツアーは完売の連続という。

 例えば「貸切列車で行く夜の鶴見線探訪 港湾・工場夜景の旅」(大人9500円)は、京浜工業地帯を走る鶴見線(横浜市鶴見区~川崎市川崎区)全線を、貸し切り列車で、工場夜景ナビゲーターの解説付きで楽しみながら走破する。川崎工場の夜景のシンボル、扇町駅では下車して徒歩観光も味わえる。12月18日出発のツアーは発売から1分で満席になったという。

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