【米ビルボード・ソング・チャート】アデル「イージー・オン・ミー」6週目の首位、マライア・キャリー「恋人たちのクリスマス」が3位に浮上
【米ビルボード・ソング・チャート】アデル「イージー・オン・ミー」6週目の首位、マライア・キャリー「恋人たちのクリスマス」が3位に浮上

 アデルの「イージー・オン・ミー」が6週目の首位を獲得した、今週の米ビルボード・ソング・チャート。

 アルバム『30』のリリース効果で先週1位に返り咲いた「イージー・オン・ミー」は、ストリーミング・ソング・チャートで1位から4位(2,450万回 / 35%減少)、デジタル・ソング・セールス・チャートでも同4位(10,500 / 62%減少)となったが、エアプレイ・チャートでは週間8,710万回(6%減少)と高水準を維持して2週目の首位をキープした。

 ジャンル別のエアプレイ・チャートでも、アダルト・ポップ・エアプレイ・チャートで3週目の首位をキープ。ポップ・エアプレイ・チャートでは、先週の2位から上昇し、自身5曲目のNo.1タイトルを獲得した。初週セールスとストリーミングで好記録を打ち出し、徐々にエアプレイが伸びてくるというのは、ここ最近ロング・ヒットしている曲の傾向でもある。

 今週2位をキープしたザ・キッド・ラロイ&ジャスティン・ビーバーの「ステイ」も、ストリーミングは1,430万回(13%減少)、セールスは3,300(27%減少)にそれぞれ落ちているが、エアプレイは先週とほぼ同率の8,380万回と好記録を維持している。

 「イージー・オン・ミー」が今週6週目を記録したことで、アデルは自身の首位獲得総週を30週に更新した。

10週「ハロー」 (2015年)
7週「ローリング・イン・ザ・ディープ」(2011年)
6週「イージー・オン・ミー」(2021年)
5週「サムワン・ライク・ユー」 (2011年)
2週「セット・ファイヤー・トゥ・ザ・レイン」 (2012年)

 歴代のアーティストで30週を上回ったのはアデルが17組目で、女性アーティストに限定すると、マライア・キャリー(84週)、リアーナ(60週)、ビヨンセ(41週)、ジャネット・ジャクソン(33週)、ケイティ・ペリー(33週)、マドンナ(32週)、ホイットニー・ヒューストン(31週)に続く8組目の快挙となる。

 その女性アーティストの歴代トップを独走するマライア・キャリーの「恋人たちのクリスマス」は、先週の12位から3位に例年の如くTOP10入りした。

 「恋人たちのクリスマス」は、ホリデー・シーズンのプロモーション、各プレイリスト効果等を受け、エアプレイ・チャートでは47位から31位に上昇(2,340万回 / 54%増加)。セールス・チャートでは23位から8位にTOP10入りし(5,800 / 53%増加)、ストリーミング・チャートでは5位から1位に、約1年ぶりの首位復帰を果たした(2,580万回 / 47%増加)。ストリーミング・チャートでの首位獲得は累計11週目で、同チャートの集計が開始した2013年1月以降、ホリデー・ソングとして1位を獲得したのは「恋人たちのクリスマス」のみとなる。

 同時に、ホリデー・ソング・チャート“Holiday 100”でも今週1位を獲得。2011年から集計が始まった同チャートの合計52週間のうち、47週を「恋人たちのクリスマス」が独占していて、連続記録としては通算32週目に更新した。2015年から16年にかけてのホリデー・シーズン以降、6年連続で同曲が首位をキープし続けている。

 昨年のチャートでも、11月中に上昇して2020年12月12日付チャートで14位から2位にTOP3入りするという同様のチャート・アクションをみせていることから、今年も年末から年始にかけてのピーク時に首位を獲得する可能性は高い。なお、昨年はその翌週12月19日付チャートでトップに浮上している。

 同曲のリリースは1994年10月だが、ストリーミングが集計に加算されるようになった2014年以降年々最高位を更新し、2017年の12月に初めてTOP10入りした。2019年12月21日付チャートでは、発売25年目にして初のNo.1を獲得。首位獲得数を通算19曲目に更新して、ビートルズがもつ20曲に次ぐ歴代2番目の記録に追った。クリスマス・ソングとしては、1958年12月22日から1959年1月12日付チャートまでの4週1位をキープした、アルビン&ザ・チップマンクスの「ザ・チップマンク・ソング」以来61年ぶり、歴代2曲目の快挙で、前述のとおり昨年の12月19日付チャート、そして2021年1月2日付チャートの2週、累計5週目の首位を獲得し、その「ザ・チップマンク・ソング」がもつ4週を上回るホリデー・ソングの歴代最長記録も更新している。

 「恋人たちのクリスマス」の他、今週はブレンダ・リーの「ロッキン・アラウンド・ザ・クリスマス・ツリー」が14位から4位に、ボビー・ヘルムズの「ジングル・ベル・ロック」が20位から5位に、バール・アイヴスの「ホーリー・ジョリー・クリスマス」が27位から7位に、それぞれTOP10入りしている。この3曲も、昨年の12月12日付チャートでチャートを上昇し、「ロッキン・アラウンド・ザ・クリスマス・ツリー」は21位から4位、「ジングル・ベル・ロック」は31位から9位にTOP10入りした。

 クリスマス・ウィークが集計期間だった2021年1月2日付チャートでは、7位にランクインした24kゴールデンの「ムードfeat.イアン・ディオール」以外9曲全てがホリデー・ソングで独占するという歴代最多記録を更新した。今年のホリデー・シーズンも、同様のチャート・アクションがみられるかもしれない。

 ホリデー・ソングの浮上により、リル・ナズ・X&ジャック・ハーロウの「インダストリー・ベイビー」は3位から6位、グラス・アニマルズの「ヒート・ウェイヴス」は7位から8位、エド・シーランの「シヴァーズ」が6位から9位、ドージャ・キャットの「ニード・トゥ・ノウ」も9位から10位にそれぞれランクダウンした。なお、「インダストリー・ベイビー」はR&B/ヒップホップ・ソング・チャートとラップ・ソング・チャートでそれぞれ15週目、「ヒート・ウェイヴス」は、ロック&オルタナティブ・ソング・チャートとオルタナティブ・ソング・チャートで、それぞれ11週目の首位を獲得している。

Text: 本家 一成

※関連リンク先の米ビルボード・チャートは12月10日以降掲載予定となります。

◎【Hot 100】トップ10
1位「イージー・オン・ミー」アデル
2位「ステイ」ザ・キッド・ラロイ&ジャスティン・ビーバー
3位「恋人たちのクリスマス」マライア・キャリー
4位「ロッキン・アラウンド・ザ・クリスマス・ツリー」ブレンダ・リー
5位「ジングル・ベル・ロック」ボビー・ヘルムズ
6位「インダストリー・ベイビー」リル・ナズ・X&ジャック・ハーロウ
7位「ホーリー・ジョリー・クリスマス」バール・アイヴス
8位「ヒート・ウェイヴス」グラス・アニマルズ
9位「シヴァーズ」エド・シーラン
10位「ニード・トゥ・ノウ」ドージャ・キャット