今のメディアによる不倫報道がまさにそう。不倫の良い悪いの話しではなくて、不倫をした人に対して一斉に「駄目だ!」「謝罪だ!」「番組降板だ!」と言うことが、あたかも当然で正義みたいになってる。

 僕がふと思うのは、不倫によって生まれた子どももいて、成長して大人になった人もいるわけですよね。そうすると、不倫してできた子どもを封印しちゃって、その人たちを全否定しちゃうのか? 不倫を肯定しているわけではなくて、別の側面から考えないで、同じ意見にみんなで同調していくことを危惧している。不倫を例に出したけど、どうでもいいようなこと一つとっても、指摘されたからちょっとそれはやめましょう的な流れになることも含めて、意見が一つの方向に動いて、それが世論になってしまっている。

 発言した意見で「炎上」って言われるけど、炎上した途端、炎上そのものが世の中みんなの意見になってしまうけど、炎上したからってなんなんだ? 炎上という言葉で世論が一方向に流れるのは、誰しもが勇気を出して「これは違うんじゃないか?」と言えなくなってしまうのか。今回のNHKの番組を見て、そんなことまで考えさせられました。

 太平洋戦争の番組を通じて、僕が改めて強く思ったのは、いま一度、一人一人個人が、物事を冷静に考えてちゃんと進んでいかないといけない。

 その中でも大事なのは、人を殺さないということですよね、戦争もコロナも全てそうで、人間が生きている限り守らなきゃいけないことは、自分も含め、他人も死なせない。死なないイコール幸せとまでは言わないけど、死とは一番、悲しいことじゃないですか。コロナに感染して死ぬっていうことも悲しいことだし、みんなで考え、協力し合って、いかにすれば人の命を守れるか……それはとても大事なことだと考えさせられました。

■カンニング竹山/1971年、福岡県生まれ。オンラインサロン「竹山報道局」は、4月1日から手作り配信局「TAKEFLIX」にリニューアル。ネットでCAMPFIRE を検索→CAMPFIREページ内でカンニング竹山を検索→カンニング竹山オンラインサロン限定番組竹山報道局から会員登録。

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