12月7日にAERAdot.が特報した、内閣参与の石原伸晃氏が雇用調整助成金・緊急雇用安定助成金を約60万円、受給していた問題を新聞、テレビも報じ、波紋が広がっている。
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自民党議員も「コロナ禍で雇用調整助成金・緊急雇用安定助成金についてはもらわないようにとお達しがあった。前代未聞でしょう…」と驚きを隠さなかった。野党からも「不公正」と批判の声があがっている。石原氏を巡っては、10月の衆院選で落選した後、日給2万6千円の内閣参与に抜擢され、「石原氏の失業手当」「税金の無駄遣い」と批判が巻き起こっていた。批判は高まるばかりだ。
まずは今回の問題をふり返っておこう。石原氏が代表を務める東京都第八選挙区支部の2020年の収支報告書を見ると、収入の欄に「雇用安定助成金」として計60万8千円の記載があった。他方で支部の収入の総額を見ると、20年は約4200万円で19年の約3900万円から、増加していた。
雇用調整助成金・緊急雇用安定助成金とは、新型コロナの影響で事業活動の縮小を余儀なくされた場合に、雇用が維持されるために、休業手当などの一部を事業主に助成する制度のことだ。厚労省によると「最近1か月間の売上高が前年同月比5%以上減少している」「休業手当を支払っている」などの条件を満たすと、支給されることになる。政治団体も対象になる。
しかし、「政党交付金を受けている政治団体が、コロナ禍で売り上げが減った企業を対象にした助成金を受け取るべきではない」(神戸学院大・上脇博之教授)と専門家は見る。AERAdot.の取材に対し、石原事務所は「支部において所管当局に確認した上で申請しているところです」とFaxで回答した。
身内からも批判の声が相次いでいる。自民党幹部が語る。
「自民党ではコロナ禍で苦しいときだから議員の歳出を削減しようと国会で議論していた。雇用調整助成金・緊急雇用安定助成金の申請なんか信じられない。石原さんはこの当時、現職の衆院議員で石原派領袖だったワケですよ」