立憲民主・石垣のりこ氏
立憲民主・石垣のりこ氏

 野党からも疑問の声があがっている。立憲民主党の石垣のりこ議員はこう語る。

「議員という立場にいて、議会で制度をチェックして、改善していかなければならない立場の人間が、抜け道を利用したということの倫理観は問われるのではないか」

 さらに石垣議員が問題視するのは「不公正感」だ。コロナの影響を受けた事業者を支援するために設けられた「持続化給付金」では、米農家から給付金を返納する動きが相次いだ。米農家は農閑期に月収が0円となり、給付金を受け取りやすい状況があった。米農家が給付金を受け取ることに対し、「不正ではないか」という声があがり、中小企業庁も自主返納を促すような書面を出していたという。

 石垣議員はこう見る。

「米農家では米価が下落して大変になっているにもかかわらず、返納するように言われたりする。文句を言えない人たちには取り立て、そうではないところには『ルールに乗っ取っているので問題ありません』という判断がなされるのであれば、公正さに問題があると思います」

この問題が報道されるとSNSでは、<本当にせこいことをしている>

<国民には10万すら出し渋るのに><岸田首相は公然と叱責するべき>

などと批判の声があがった。

 松野博一官房長官は8日の記者会見で、石原事務所が受けっていたことについて見解を問われ、「石原氏個人の事務所の活動にかかわることであり、政府としてコメントすることは差し控えたい」「必要があれば、石原氏ご本人や事務所が説明されるべきものと承知している」などと他人事のような発言にとどめた。

 AERAdot.は自民党本部にも石原氏の件についての見解、他にも受け取った国会議員はいるのか、など取材を申し込んだが、「党本部は所属議員の事務所における雇用調整助成金の受給状況について、知る立場にありません」と書面で回答があった。

「正直、官邸内部でも政権への影響を考え、石原氏に内閣参与を早く辞めてもらいたいという声が強くなっています。しかし、本人はいまだに『問題はない』とやる気なようです。内閣参与に推した岸田首相や都連で親しい木原誠二内閣官房副長官がついているから、強気なんでしょう」(官邸関係者)

 石原氏はいまだに口を開いていない。本人が何を語るか注目だ。

 (AERAdot.編集部 吉崎洋夫)

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