2021年も年の瀬に迫った。そこで、AERA dot.上で下半期に読まれた記事ベスト20を振り返る。
【写真】東京五輪ボイコットの可能性に言及した韓国の元首相はこの人
19位は「韓国側が選手村の横断幕撤去に激怒「旭日旗を問題視」五輪ボイコットの可能性も」(7月18日配信)だった。(※肩書年齢等は配信時のまま)
* * *
東京五輪・パラリンピックの選手村に韓国選手団が掲げた横断幕をめぐり、国際オリンピック委員会(IOC)が撤去を要請したことについて、韓国側から反発の声が上がっている。
横断幕には、「臣にはまだ5千万国民の応援と支持が残っています」とハングルで記されていた。豊臣秀吉が朝鮮出兵の際に海戦で対峙し、「抗日の英雄」として知られる李舜臣将軍の言葉を連想させるメッセージとして、日本側から反発の声が出ていた。
これを受け、IOCは「政治的な宣伝を禁じる五輪憲章第50条に違反する」と撤去を要請。IOCのバッハ会長が17日の記者会見で要請を認め、横断幕は撤去された。だが、また新たな横断幕が出たという情報も一部で報じられている。
日本側のSNS、ネット上では韓国側の対応について、不快感を露わにする書き込みが多くみられた。
「一体何枚の垂れ幕を持ってきているのか?横断幕を撤去しても新しい垂れ幕を掲げるなんて、明らかに日本に対して嫌がらせをしようと準備したものだろう。そんなに日本に対して嫌悪感があるのなら、五輪をボイコットすればいいのに」
「何故,わざわざ平和の祭典に来てまで争いごとを持ち込むのか?初めからボイコットを声高に叫んでいたのだから,初めから参加しない方がお互いのためでもあったはず。五輪憲章も守れない,守ろうとしない時点で参加する資格なし。即刻帰国すべき。何でも自分中心にしか考えられない人たちの何と哀れなことか」
対して韓国体育会は、日本側の競技場内での旭日(きょくじつ)旗を掲げた応援を問題視。韓国体育会は横断幕を撤去した理由について、「IOCはすべての五輪会場で旭日旗に第50条を適用して判断すると約束した」などと説明しているという。
一方、大会組織委員会は、「旭日旗は国内で広く使用されており、政治的主張にならない」と旭日旗は持ち込み禁止にあたらないというスタンス。日韓の主張は平行線をたどっている。
通信社国際部記者は韓国側のIOCに対する指摘に、首をかしげる。
「スポーツにいかなる種類の政治的、宗教的もしくは人種的な宣伝活動は認められないとオリンピック憲章で明記されています。今回の選手村に掲げられた横断幕が認められないのは当然でしょう。旭日旗も2011年までは韓国側から問題視されていなかったのに、あのアジアカップの一件から戦犯旗として撤去を求めるようになった。IOCは韓国側の主張に戸惑っているのが本音ではないでしょうか」
旭日旗がクローズアップされたのは、2011年のサッカー・AFCアジアカップ準決勝の日本-韓国戦だった。韓国のMF奇誠庸(キ・ソンヨン)がPKで得点した後、ゴールパフォーマンスで猿のモノマネを行った。猿は韓国人が日本人を侮辱するときに多用される表現であることから批判の声が殺到。奇は自身のツイッターで、「観客席の旭日旗を見て涙が出ました。私も選手の前に大韓民国国民です…」と旭日旗に憤慨したことを理由に、猿マネのパフォーマンスを行ったと釈明した。しかし、その後、奇は発言を撤回している。
ただ、この一件から韓国サイドで旭日旗に対する反対運動が高まる事態となった。