今季3勝に終わった阪神・藤浪晋太郎が8日に球団事務所で契約更改交渉に臨み、1100万円減の推定年俸4900万円でサインした。2016年の1億7000万円から6年連続のダウン。報道によると記者会見の席で、「完全な自分のエゴで先発をやりたいというのもありますし、そのエゴを通せない程度の実力なら中継ぎでも大した成績を残せないと思っているので、自分のエゴを貫いてやります」と先発志願したことが波紋を呼んでいる。
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「藤浪の気持ちは分かりますが、エゴを貫いてやると言えるのは先発で結果を出してからです。結果を出していないシーズンが続いている状況で、起用法について自分の希望を言える立場ではないでしょう。絶対的守護神・スアレスが退団したチーム事情を考えると、藤浪は救援の方がチャンスは多いと思います。先発から救援に回って活躍している選手はたくさんいる。阪神は先発陣がたくさんいますしね。藤浪がどうしても先発にこだわるなら、トレードで他球団に出した方がチャンスがあると思います」(スポーツ紙デスク)
高卒1年目から3年連続2ケタ勝利と輝いた時期は「過去の話」だ。その後は制球難で投球フォームを崩すと1、2軍を往復するシーズンが続き、19年は1試合登板のみに終わった。復活を期した今年はオープン戦で快投を続け、プロ9年目で自身初の開幕投手に抜擢されたが、好調は持続しなかった。不安定な制球は解消されず、4月下旬に登録抹消。救援に配置転換後も結果を残せず、9月に登録抹消されて以降はファーム暮らしで優勝争いを繰り広げるチームの力になれなかった。21試合登板で3勝3敗4ホールド、防御率5.21。今年も首脳陣の期待に応えられなかった。
藤浪は先発を志願するが、頭数はそろっている。今季13勝で最多勝を獲得した青柳晃洋、2年連続2ケタ勝利をマークした秋山拓巳、球団の新人左腕で江夏豊以来3人目のシーズン10勝目に到達した伊藤将司、シーズン終盤に復活した高橋遥人、抜群の安定感で9勝を挙げたガンケルも残留濃厚だ。今季は不調だったがエース復権を目指す西勇輝、「高卒3年目コンビ」の西純矢、救援で今季大活躍の及川雅貴も先発ローテーション入りを狙う。藤浪が先発の座を勝ち取るのは非常に厳しい。