AERAの連載「午後3時のしいたけ.相談室」では、話題の占い師であり作家のしいたけ.さんが読者からの相談に回答。しいたけ.さんの独特な語り口でアドバイスをお届けします。
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Q:ここ2~3年で急速に白髪が増えました。ふと鏡を見ると前髪に白髪があって、悪いものじゃないとわかってるけど、目についてつい抜いちゃいます。しいたけ.さんは白髪は生えますか?生えるとしたら、抜きますか?気にして染めますか?気にならずそのまま放置しますか?好んで愛でながら育てますか?教えてもらえたら嬉しいです。(女性/パート/30歳/しし座)
A:白髪問題、ありますよね。僕自身は、白髪には逆らえない、もうこのまま共存していこうと思っています。
白髪は自分で感じる「老い」の第一歩だと思うんです。焼き肉がそんなに食べられなくなったとか、徹夜ができなくなったとかも、同じ。「老い」に対するショックがある気がする。ショックを受けつつも「いやー、焼き肉きつくなっちゃったよ」「白髪が増えちゃったよ」って、「笑いながら言えるかどうか」が結構大事なことなのかなと僕は思っています。
僕自身の話をすると、最近、ドン・キホーテやコストコに行っても「買いたいものがない」と気づいて、老いを意識しました。ああいうエンターテインメント性を含んだ商業施設に行った時に、テンションがぶち上がって無駄なものを買いまくっていたのは、若さの特権だったんだな、って。大人になると「これはいらない、これもいらない」って冷静に判断しちゃう。それを自覚して「あぁ大人になっちゃった」と寂しさを感じました。
一方でそういう老いを感じた時、自分自身に対して、古い友人に会ったような感じも少しあるんです。「よくぞここまで生きてきてくれた」「苦労をかけたね」みたいな感覚。なんと言うか、そういう白髪の自分も愛せるようになることが、生きる醍醐味なのかもしれないな、なんて。