1番苦手なことに挑戦することが、時に突破口になる　しいたけ.さんがアドバイス

　AERAの連載「午後3時のしいたけ.相談室」では、話題の占い師であり作家のしいたけ.さんが読者からの相談に回答。しいたけ.さんの独特な語り口でアドバイスをお届けします。

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Q：人見知りで人が苦手ですが美容師の仕事をしています。髪を触ることは好きですがお客様と話すのが苦痛です。最近は2時間おきに目が覚め、あまり寝られません。金銭面で続けていますが、誰とも話さない仕事につきたい。でもパソコンも扱えない。人間関係もうまく築けません。転職で悩んでいます。（女性／美容師／45歳／しし座）

A：とても苦しそうだなと思いました。クリエイティブな仕事でも客商売でも、人には、自分の得意なことや自分にできること、他人から求められることが、苦痛になってくる時がある気がします。

　一回その壁にぶち当たるというか、そこに気づいてしまった時って、きついですよね。あなたの場合、2時間おきに目が覚めて眠れないというほどの苦痛なので、もしかすると誰かにひどいことを言われてしまったりしたのかもしれません。

　パソコンが扱えないとのことですが、僕からのご提案です。ぜひパソコンを習いに行ってみませんか？

　得意なことや生活のために続けていることが苦痛になってしまった時、突破口は、きれいな景色を見に行くことではありません。実は一番苦手だと思っていることに正面からぶつかっていくことのほうが、突破口になります。

　パソコンのコンプレックスを乗り越えて技術が上達していった時に、ほかの悩みまで「なんだこんなことだったのか」と思えるようになる可能性が高い気がします。初めは打ちのめされたとしても、その経験は、何か扉を開かせてくれる可能性になります。

　こういう相談は友達とかに話しても、「誰でも通る道だよ」「手に職があるんだからそれでやっていけばいいじゃん」で済まされがち。自分が得意なことだからこそ、神経を注いで、眠れなくなるぐらいまでデリケートにやっているはずです。他に逃げ道を持っておいたほうがいいと思います。