■国民の納得する発信を

 コロナ対応に関しては、国の方針が変わるということは何度も経験したので、福岡市では、市民が不利益を被ることのないよう、あらゆるパターンで準備をしています。国が方針を定めることはもちろん大切ですが、自治体側も国の方針変更を想定するなど、自らアップデートしなければなりません。

 一方で国も、例えば、ワクチン接種の2回目と3回目の間隔について説明する際、ワクチンの供給量に論点を絞って説明すれば良かったと思うのですが、そこに、医学的な理由を加えてしまうので、かえって混乱を招きました。国には、これまで以上に国民の納得と共感が得られる発信をお願いしたいですね。

 また、国としてのワクチン供給スケジュールを示した上で、各自治体が持つワクチンのストックの活用など、自治体の自主性や地域の特性を生かせるようにしていただければ、効率よく3回目の接種も進むと考えています。

(編集部・渡辺豪)

AERA 2022年1月3日号-1月10日合併号

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渡辺豪

渡辺豪

ニュース週刊誌『AERA』記者。毎日新聞、沖縄タイムス記者を経てフリー。著書に『「アメとムチ」の構図~普天間移設の内幕~』(第14回平和・協同ジャーナリスト基金奨励賞)、『波よ鎮まれ~尖閣への視座~』(第13回石橋湛山記念早稲田ジャーナリズム大賞)など。毎日新聞で「沖縄論壇時評」を連載中(2017年~)。沖縄論考サイトOKIRON/オキロンのコア・エディター。沖縄以外のことも幅広く取材・執筆します。

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