ChatGPTに「Googleの未来」を聞いてみた

 もちろんChatGPTが万能というわけではない。現在は試験運用中であり、さまざまな制限が存在する。

 ChatGPTはネット上から収集された2021年までのデータをもとに回答を作成しているため、最新の情報には回答できない。例えば2022年以降の流行に関する知識は皆無であり、また、「明日の天気は?」などリアルタイム性の高い話題には対応できない。

 加えて、あまりにも流暢(ちょう)な回答を作成するが、回答内容の精度は100%正確でない。あたかも真実かのような嘘をついたり、差別的な発言をごく自然に行ったりすることがある。開発元のOpenAIも、こうした点について注意を呼びかけている。

 とはいえ、これら未完成の点は次第に改善されてゆくことだろう。検索業界へのインパクトは絶大だ。何事も時短が求められる近年、それらしきサイトを検索結果から1つ1つ開いて回るというGoogleの検索スタイルは、時代に合わなくなってきている。

 Googleは近い将来、ChatGPTにその座を奪われるのだろうか。Google幹部の危機感とは裏腹に、ChatGPT自身の未来予測は控えめだ。

――GoogleはChatGPTに淘汰される?
ChatGPT:「ChatGPTは、Googleが提供するサービスとは異なる、自然言語処理に特化したサービスです。そのため、GoogleがChatGPTに淘汰されることはありえません。」
ChatGPTの今後はどうなるか、聞いてみた。(OpenAIウェブサイトより)
ChatGPTの今後はどうなるか、聞いてみた。(OpenAIウェブサイトより)

Google一強の終わりが近づいている

 検索業界への打撃が報じられるなか、あくまで異分野のプレーヤーだとしてChatGPT自身は平静を保っている。だが、実際には言語処理の域を超え、検索に代わる手段として活用され始めている。広告収入に依存してきたGoogleなど、検索大手の事業モデルが根底から覆る日もそう遠くないだろう。

 ChatGPTをすでに取り込む動きも出始めた。米CBSは1月6日、世界シェア2位の検索エンジン「Bing」を展開する米Microsoftがすでに、ChatGPTを用いた検索サイトを提供する計画だとの報道を取り上げている。

 ネットの歴史に呑まれ首位から転落していった企業は数知れない。広告まみれの検索結果を提供するGoogleが転落する日は、刻々と近づいているのかもしれない。

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