【STEP2 付加年金・国民年金基金】

 上乗せ年金には「付加年金」と「国民年金基金」の二つがある。ともに自営業者など国民年金の第1号被保険者のために用意されている制度だ。59歳まで「3号」だった専業主婦は、任意加入後は「1号」扱いになるため利用できるようになる。

 付加年金は、月400円の付加保険料を納めれば「200円×納付月数」の付加年金額を終身受給できる。最大5年間納めても年金額は年「1万2千円」にしかならないが、どんな場合でも2年で元が取れる。

 国民年金基金も終身年金が基本だ。ただし付加年金と違って、毎月の掛け金が6万8千円までと高額かけることができる。60歳女性なら、5年間加入できる場合は月2万3750円の掛け金で65歳から年「6万円」の終身年金がもらえる(保証期間15年つき)。ただし、計算してみると元を取るのに「約24年」もかかる。

 どちらも59歳までの年金未加入期間が「5年」ある人はともかく、多数派を占めるとみられる「2年」程度では金額的なうまみは少なそうだ。ただし、両方に加入することはできない決まりで、どちらかを選ばなければならない(もちろん加入しない手もある)。

 早く元が取れるという観点からは付加年金に軍配が上がる。長寿に自信があり、かつお金の管理が苦手という人なら、国民年金基金を利用してもいいかもしれない。「年金化」しておけば将来、勝手に定期的にお金が振り込まれてくるため、ほったらかしで済むからだ。

 さらに、もう一つ、確定年金ではないが、個人型確定拠出年金、いわゆるiDeCo(イデコ)にも加入できる(任意加入している期間のみ)。2017年からの規制緩和で専業主婦も加入できるようになり、今年5月から65歳まで加入できるようになった。

 しかし、イデコは投資信託を使っての「積み立て投資」が主だ。最長の5年でも期間が短く、長期投資のメリットを生かせない可能性が高い。したがって加入可能になった17年から始めている人以外は、手を出さないほうがいいだろう。

暮らしとモノ班 for promotion
明菜・聖子・ジュリー…スター・アイドル作品はフィジカル盤(CD/LP/カセット/DVD/Blue-ray)で!
次のページ