<ライブレポート>三浦風雅、26歳のバースデーライブで恩人・Rakeと共演
<ライブレポート>三浦風雅、26歳のバースデーライブで恩人・Rakeと共演
この記事の写真をすべて見る

 三浦風雅が【MIURA FUGA 26 Birthday LIVE】を7月25日、東京・SHIBUYA PLEASURE PLEASUREにて開催した。

 メジャーデビュー後初のアルバム『君が君でいられるように』を7月13日にリリースし、翌日14日に誕生日を迎えた三浦だったが、誕生日当日に開催される予定だった本ライブは本人のコロナウイルス感染により延期。満を持して開催されたバースデーライブに、多くのファンが集まった。

 バックバンドが「Start」のイントロを奏でる中、「よろしくお願いします。みなさん立って!」とフランクな様子で登場した三浦。伸び伸びと楽し気に歌いながらオーディエンスに笑みを向ける様子は、彼が度々行っている路上ライブのような距離の近さを感じさせる。軽やかなキーボードとギターのフレーズが心を上向きにする「CANVAS」に進むと会場の空気はさらに明るいものに。晴れやかなメロディを三浦のふくよかな歌声が彩ると、照明がカラフルにステージを照らす。バースデーイベントという特別な日であることも手伝って、序盤から明るく和やかな雰囲気が会場を包み込んだ。

 誕生日当日にイベントができなかったことについて、「当日はこんな悲しい誕生日もないのでは、というくらい悲しかった」と苦笑しながら振り返った三浦。26歳の目標について、当初27歳までに達成したいと考えていた東京ドームに立つ夢を2年延長することにしたと語り、オーディエンスはユーモア溢れるMCに笑みを浮かべながら激励の拍手を送った。

 「26歳は格好良くいきたいなって思ってます」と話しながらギターを手に取ると、チューニングしながら「26歳になりました」と即興でメロディに乗せて歌い、リラックスした様子。冬にも歌うほど好きな曲だという「夏空」でしっとりと、つやのある声を響かせる。ギターを鳴らす手先も柔らかく、その手さばきにリンクするように歌声もより繊細で儚い印象に。序盤のような、明るいメロディをふくよかに歌う華やかさも三浦の魅力だが、その存在感のある歌声はバラードでも顕在だ。

 「26歳から27歳ってすごく勝負の年だなって思っています」と意気込みを話したMCに続いたのは「未来話」。前半はキーボードとのシンプルな編成で切なくも温かい歌声を響かせ、ドラマチックにバンドインすると歌声も迫力を増す。力強く、前のめりに歌い上げた。

 この日はバースデーライブということで「逆に僕からプレゼントを」と、色紙と楽屋招待のプレゼント企画も行い、ファンを驚かせた。この後のMC含め、三浦のリクエストによって、あるいは自然発生的にバックバンドが即興でBGMをセッションしていたのも、その場の特別感と高揚を生み出していた。

 〈一緒に笑おうよ〉と歌う「Livin’it up」は、この日のオーディエンスとの距離の近さを表すような一体感のある楽曲。オーディエンスもクラップして楽しむと、26歳を迎え意気込む三浦の気持ちを代弁するような、決意溢れる歌詞がバンドサウンドとともに弾ける「Call my name」で本編は幕を閉じた。

 高校卒業時に歌ったRakeの「100万回の「I love you」」のカバー動画がSNSで話題を呼び、本格的な音楽活動を始めた三浦。アンコールではそのことを振り返りながら今作のアルバムでRakeとのコラボを叶えた喜びを語り、その原点である「100万回の「I love you」」を披露した。包み込むような優しさのある歌声で歌っていると、2コーラス目に差し掛かったところでステージ正面の花道からRake本人が登場。思わぬサプライズにオーディエンスはもちろん、三浦も驚きのあまりギターを弾く手が止まり、「やばい!」と混乱。興奮で歌えなくなった三浦に変わり、Rakeが朗々と歌声を響かせる。最後には2人でハーモニーを重ね、Rakeが「心の中で聴こえてるから」とオーディエンスに語りかけて、声を出してのコールアンドレスポンスはできなくとも会場中の心を通わせた。

 「スタッフさんにも、Rakeさんが来てくれたら嬉しいって言ったんですけど、仕事だから無理って言われてたんですよ」と驚きを隠せない様子の三浦。このイベントが延期になってしまったことも含め、活動開始以降うまくいかないことも多かったとこの日度々話してきた三浦は、Rakeがステージから去った後も「今日のMC全部繋がったね、いいことあった!」と嬉し気な様子だった。

 そんな三浦からも、オーディエンスにサプライズ。8月から始まるツアーのファイナル公演をEX THEATER ROPPONGIで行うことを発表した。三浦史上最大級となる1000人近いキャパに、「みんなのLINEの友達全員に布教して!」と熱く呼びかけた。

 「理想通りにいかないこともありますけど、それも全部含めて今を愛そうじゃないかと」と慈しむように語り、アルバムの表題曲、そしてRakeからの提供曲「君が君でいられるように」へ。〈君が今理想通りの君じゃなくても 間違いなんて一つもありはしない〉と噛みしめるように丁寧に歌い上げた。

 ここでライブは終わりかと思いきや、バックバンドによるバースデーソングのセッションののち、花束のプレゼントで改めて誕生日を祝福。写真撮影で再びステージに姿を現したRakeが「延期しても今日ここに来てくれた人、配信を見てくれてる人ってすごい愛情でしょ?もう1曲やろうよ」と提案し、アルバムの予約版限定で収録された楽曲「君と僕の「I love you」」を2人で披露。穏やかで幸福な空気が漂いながら、特別な一日が幕を閉じた。

Text:村上麗奈
Photo:アンザイミキ

◎公演情報
【MIURA FUGA 26 Birthday LIVE】
2022年7月25日(月)
東京・SHIBUYA PLEASURE PLEASURE