ONE OK ROCKが3年半ぶりにアルバムをリリースする。作りたかったのは、普遍性のある作品。アルバム名には、ロックバンドとしての矜持が込められているという。ボーカルのTakaさんがアメリカでの活躍について決意を語った。AERA 2022年9月19日号から。
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――約3年半ぶりのアルバムは「Luxury Disease」。このタイトルにはONE OK ROCKがバンドとして第二のスタート地点に立ったという思いが込められているという。
Taka:このアルバムから完全にアメリカのレーベルに移籍して、独立して事務所を立ち上げてよりフレキシブルに活動ができる環境になりました。日本でやってきたことを、アメリカでもまた一からやっていくというスタート地点に立った感覚があったので、メジャーファーストアルバムの「ゼイタクビョウ」を英語にしたタイトルを付けました。
――世界的なプロデューサー、ロブ・カヴァロと手を組み、現代に必要とされるハイブリッドなロックアルバムを目指した。
Taka:ロブと何度も話し合いをしました。ONE OK ROCKがなぜ海外で活動をするのかというと、僕らは日本人として、ロックのムーブメントを蘇らせたいと考えているから。そして全米でアリーナツアーをやるという目標を達成するために、本気でアルバムを作らなければいけない。そういうことを共有すると、ゴールに向けて自分たちがどう動けばいいのかが明確に出てきました。それを一個一個つぶしていくという無駄のない合理的な作業をやっていきました。
■人間性も普遍性もある
――前作「Eye of the Storm」は、ラジオ文化が根強いアメリカでは3分以上の曲は流れづらいということも考慮して制作した、シンプルなアルバムだった。今回のアルバムでは3曲が4分を超えている。
Taka:TikTokがきっかけでブレイクするアーティストもいますし、僕らも意識してほしい、とはレーベルからも言われます。でも、そういうやりとりは「Eye of the Storm」で終わりました。
今回、作りたかったのは、僕らの人間性が垣間見えて、しっかりとしたストーリーがあって、かつ普遍性もあるロックアルバムだった。いずれ自分たちが年を取った時に、アンティークになってくれるだろうアルバムを作らなければいけなかった。
いま、レジェンドと言われているロックバンドが、なぜ唯一無二の存在になれたかというと、自分たちのやりたいことをきちんとやってきたからだと思います。僕らもそういうことを意識しなければいけない年になったと思う。これからもアメリカで活躍していくために、強い意志を持って作ることがすごく大切だと思いました。