もし、子どもに「学校に行きたくない」と言われたら? 家庭は本音を言える場所であることの表れでもある(photo:gettyimages)
もし、子どもに「学校に行きたくない」と言われたら? 家庭は本音を言える場所であることの表れでもある(photo:gettyimages)

 息子たちが小中学生の頃、たまに「明日は学校を休む」と言うことがありました。理由は家でテストの勉強をしたいとか、ちょっと頭が痛いとか。私も夫も、休みたい時は休んでいいよ、と言ってきました。きっといろんな理由があって、明日は行きたくないなあと思ったんだろうなと。理由を問いただすこともせず、のんびり休ませて様子を見守りました。そして普段から「もしなんか困っていることがあるならいつでも、どんな小さなことでも言ってね。私たちは全力で君を助けるよ」「もし学校が合わないんだったら、違う方法で学ぶこともできるんだよ」と伝えていました。息子たちは1、2日休むとまたいつも通り学校に行っていましたが、もし長く休んだり学校を辞めたいと言ったりしたら、本人に合った方法を探そうと思っていました。

 仕事柄、いわゆる不登校を経て大人になったいろいろな人の話を聞く機会があります。心を殺して毎日学校に行くことよりも、「人生はああもこうも生きられる。きっとやりようはある」と信じられることの方が大事だと実感しています。

◎小島慶子(こじま・けいこ)/エッセイスト。1972年生まれ。東京大学大学院情報学環客員研究員。近著に『幸せな結婚』(新潮社)。寄付サイト「ひとりじゃないよPJ」呼びかけ人。

AERA 2022年9月5日号

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小島慶子

小島慶子

小島慶子(こじま・けいこ)/エッセイスト。1972年生まれ。東京大学大学院情報学環客員研究員。近著に『幸せな結婚』(新潮社)。共著『足をどかしてくれませんか。』が発売中

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