高校卒業後、芸能事務所の養成所に入ってデビューというケースが少なくないお笑い界。しかし近年、大学出身のお笑い芸人が増えている。それはなぜなのか。その背景にある「大学お笑いサークル」の台頭とは。独自調査をもとに、現場を知る識者が語った。
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お笑い界で最も強い大学はどこか――「大学ランキング」編集部(朝日新聞出版)では、お笑い賞レースのファイナリスト(決勝進出者)の出身大学を集計した(中退、除籍も含む)。対象は下記6大会の過去10年分(2012~21年)。
- M-1グランプリ(「M-1」が開催されなかった12~14年は「THE MANZAI」から集計)
- キングオブコント
- R-1グランプリ
- THE W(大会開始が17年のため、17~21年の5年分)
- ABCお笑いグランプリ
- NHK新人お笑い大賞(12、13年は「NHK新人演芸大賞」の演芸部門から集計)
ランキングは表の通り。中退の場合もその大学の出身者とし、出場回数は「のべ」で集計した(以下、敬称略)。
■ジャルジャル、ゆりやんレトリィバァの関西大が1位
1位は関西大だった。ジャルジャルが7回(キングオブコント2回、M-1グランプリ3回、ABCお笑いグランプリ2回。コンビの2人とも同大出身のためのべ14回出場と集計)、ゆりやんレトリィバァが10回(R-1グランプリ5回、THE W3回、ABCお笑いグランプリ2回)、決勝に進出したことが大きい。いずれも大学の広報誌「Reed」でインタビューを受けている。
2位・早稲田大の顔触れはさまざまだ。Gパンパンダ(18年NHK新人お笑い大賞優勝)、かもめんたる(13年キングオブコント優勝)はいずれも早稲田出身者で結成されたコンビ。Gパンパンダは、公認会計士の星野光樹と元リクルートで高IQ集団「MENSA」会員の一平の「ハイスペックコンビ」で知られる。
3位は同志社大。M-1、R-1ともに優勝経験のある霜降り明星・粗品や、さらば青春の光・東ブクロ、Aマッソ・加納、ニューヨーク・屋敷裕政などが複数回、決勝に進出している。屋敷はテレビ番組制作会社に新卒で就職後、夢をあきらめず芸人になったという経歴をもつ。また、今やテレビで見ない日はないメイプル超合金・カズレーザーも同大出身。