2位：菊地吏玖（専修大）

　東都二部所属ながら、スケールの大きさと完成度は大学球界でも屈指の本格派右腕。伸びやかなフォームで高い位置から腕が振れ、コンスタントに145キロを超え、打者の手元での勢いも申し分ない。秋はわき腹の故障で短いイニングの登板に終わったがほぼ完璧な投球を見せ、これまでの通算防御率も0点台と安定感は申し分ない。最終学年では一部で投げる姿を見たい投手である。

1位：矢沢宏太（日本体育大）

　投打二刀流で注目を集めているが、投手単体で考えてもナンバーワンと言える本格派サウスポー。上背はないものの全身を使ったフォームしなやかに腕が振れ、140キロ台後半のストレートと打者の手元で鋭く変化するスライダーで三振を奪う。高校時代と比べて制球力も格段にアップし、秋のリーグ戦では3完封をマークした。全カテゴリーの投手の中でも最注目の存在であることは間違いないだろう。

（文・西尾典文）

●プロフィール
西尾典文／1979年生まれ。愛知県出身。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究。主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間300試合以上を現場で取材し、執筆活動を行っている。ドラフト情報を研究する団体「プロアマ野球研究所（PABBlab）」主任研究員

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