
——これからは、もう少しゆっくり。そんな思いに至ったのは、ここ2、3年で体調の変化を感じてきたことが大きい。
「やってみたい」と思っても体が動かなかったり、今までだったら寝ないでできていたことができなくなってしまったり。若いころは「私は大丈夫」とどこかで思っていたのですが、そうしたことも受け入れていかなければいけないんだな、と。
■もっと心を鍛えたい
米倉:何が一番大切なのかを考えたときに、仕事はもちろんなのですが、仕事をずっと続けていくために体調を整えていくことも必要なんですよね。今までだったら「やる気」「元気」「負けん気」の三角形のバランスで突き進んでいたことが、そこに「体調」や「心の状態」といったものが加わり、五角形のバランスになってきたと感じます。
——今後も新しいこと、ふと思いついて「やりたい」という気持ちになる対象があれば、「柔軟に取り組んでいきたい」と言う。
米倉:「CHICAGO」は私にとって大切な作品ですが、ストレートプレイやもう少し小さな劇場で上演されるような作品にもチャレンジしていきたい、という気持ちもあります。
「新聞記者」に参加したときも、「自分はまだまだ弱いな」と感じたんです。毎日ドキドキしながら、皆さんとお話しして、スタッフの方々の名前を覚え、早く溶け込めるようにしなければ、と思っていました。もっともっと「心を鍛えていかなければ」と思っています。
(構成/ライター・古谷ゆう子)
※AERA 2022年1月24日号