山梨学院は榎谷礼央、木更津総合は越井颯一郎とプロ注目のエースの存在が大きい。ともにスピードだけでなくコントロール、投球術も高レベルで、簡単に打ち崩せる投手ではない。ちなみに両チームとも関東大会で優勝した明秀日立に敗れたが、榎谷と越井は先発を回避しての敗戦だった。この2人が力を発揮すれば、甲子園でも上位進出の可能性は高いだろう。

 昨年夏の甲子園でベスト4に進出した京都国際は旧チームから主戦を務める森下瑠大、平野順大の左右の安定した投手を揃える。特に森下は近畿大会の2試合、13イニングを無失点、17奪三振と圧倒的な成績を残しており、その安定感は全国でも上位だ。打線に繋がりが出てくれば、一気に全国の頂点も見えてくるだろう。

 神宮大会準優勝の広陵も投打にタレントが揃う。投手では秋に大きく成長を見せたエースの森山陽一郎、神宮大会で146キロをマークした松林幸紀、新2年生ながら安定感が光る岡山勇斗、ライトを守る大型左腕の内海優太と4人の力のある投手を揃える。打線も3番内海、新2年生ながら4番を打つ真鍋慧の左の大砲2人を中心に得点力は高い。上手く投打が噛み合えば、4度目の選抜優勝、そして悲願の夏の甲子園制覇も視野に入ってくるだろう。

 神宮大会でベスト4に進出した九州国際大付もタレント揃いのチームだ。捕手の野田海人は全国でもトップクラスの強肩で、投手としても145キロを超えるスピードを誇る。野田とともに旧チームから中心打者の黒田義信も高いレベルで三拍子揃った外野手で、神宮大会でも一発を放つなど存在感を見せた。下級生ながら4番を打つ佐倉侠史朗は佐々木、真鍋と並ぶ注目のスラッガーで、エース左腕の香西一希もコントロールは抜群だ。神宮大会では大阪桐蔭に大敗したが、中盤まではリードを奪っていただけに、選抜でもリベンジを狙う気持ちは強いだろう。

 選抜出場が微妙、また絶望となったチームでは仙台育英、東海大相模、東海大菅生、近江、智弁和歌山、明徳義塾、明豊などが有力校となりそうだ。この7校は昨年の甲子園を経験したメンバーが残っており、ここ数年の安定感は全国でも上位である。特に仙台育英と明豊は秋の地区大会で思わぬ大敗を喫しただけに、そこからの巻き返しに注目だ。またそれ以外のチームでは桐生第一、東邦などもバッテリーに力があるだけに野手陣が上手く成長してくれば、一気に浮上してくる可能性もあるだろう。 

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