マスコミから大阪市と厚労省の見解の違いを問われた松井市長は8日、こう声を荒げた。
「(大阪市か厚労省か)どちらのシステムに問題があったのか知りませんが、不具合はあった。うちが勝手に不具合を起こしたというのか」
大阪市保健所感染症対策課に聞いてみると、「入力遅れは、新規感染者の急増とファックの手入力による手間、その際にハーシスに不具合があったので遅れた」と松井市長と同じ認識を繰り返す。
「厚労省は20日のみと言うが、大阪市では1週間ほど不具合が続きました。理由はわかりません。厚労省に相談したら、改善しないなら大阪市のシステムの問題ではないかと指摘された。本当の原因はまだ追究できていない」(同前)
今後も入力遅れが生じる可能性があるという。もともと保健所は派遣スタッフ含めて40人態勢の入力班となっていたが、大阪市職員40人が応援に入り、現在は80人になっている。
「あと数日はこの態勢ですが、職員の応援は他の業務に支障をきたしているのでいつまで応援がいるか、わかりません」(前出・感染症対策課)
発生届が遅れると、新規感染者の把握に時間がかかり緊急性がある人に対しての治療も後手に回りかねない。
AERAdot.で1月20日に配信した記事「吉村大阪府知事に保健所職員が恨み節『深夜に着信やまず、過労死する』」で取材した保健所の職員Aさんが、今回の騒動についてこう語る。
「いずれこうなると思っていました。大阪府、大阪市の保健所はどこも人がまったく足りていません。お昼ごはんも食べられないし、トイレに行くにも、駆け足で行っています。休みもなく終電で帰宅する日が続き、数日前は職場で眠りそうになった」
Aさんが紹介してくれた大阪市保健所で働く、Bさんにも話を聞いた。
「とんでもない分量のファックスが保健所に送信されて、夜遅くまで途切れることがない。手入力する担当者を見ていると、ドンドンとファックスが渡され、『永遠に終わらない』と嘆いていた」