
夏の風物詩といえば、ラムネとサイダー。祭りや花火大会の出店をのぞけば、巨大な氷が浮かんだ大きな水槽にさわやかなビンがキンキンに冷えている。のどを駆け抜けるシュワシュワ感も格別だ。
近年は地域限定の製品も人気を集めている。業界団体の全国清涼飲料連合会(全清連)が毎年発行する「地サイダー&地ラムネカタログ」(2022年版)には、145種類のサイダーとラムネが掲載されている。13年版は50種類だったので、ブームの広がりが感じられる。
清涼飲料水評論家の清水りょうこさんは「地サイダーやラムネは、お土産などとして買うことが多い。なので、日常と離れた『楽しさ』と結びついているのではないでしょうか」とその魅力を語る。

人気の発端になったのは、風変わりな商品が出てきたことにもあるという。
「静岡県の木村飲料がカレーやワサビ風味のラムネを出して、メディアに取り上げられました。地サイダーは02年に有馬温泉の『ありまサイダーてっぽう水』が復刻販売されたことが大きいと感じています。これを機に、『サイダーをお土産品として売れる』という認識が各地に広がりました」(清水さん)
地サイダーの製造を小ロットから請け負う飲料会社の存在も大きい。地元の食材を生かしたサイダーやラムネが手軽に作れるようになったからだ。
清水さんに旅先で飲みたい地サイダーとラムネを聞いた。
ひとつ目が、福岡市の「能古島(のこのしま)サイダー」。市中心部から船で10分ほどにある島のお土産屋などで入手できる。
「店で買うのもいいですが、能古島の渡船場の前にあるノコニコカフェ(不定休)で海を眺めながら飲むのがおすすめです」
清水さんがいま最も行って飲みたいと思っているのが、福井県池田町の「いけソーダ」。洗って再度使用するリターナブルびんを使った微炭酸サイダーだ。町おこしのために製造されたそう。
「実は、私も現地で飲んだことがないんです。結構山奥にあるらしく、自然が豊かなところで飲みたいですね。デザインもかわいいです」
広島県尾道市の後藤鉱泉所が販売する「マルゴサイダー」とビンの「ラムネ」もお薦め。本土とは目と鼻の先の向島にあり、尾道大橋を渡るもよし、フェリーで向かうもよし。

「個人的には、船でこの島へ向かうところからいい感じなんです。ここで販売しているラムネは、口までガラスのリターナブルびんに入っています。現代でこのびんを使用しているところはほとんどなく、かなりレアですね」