■清水:市川大祐

 1980年5月14日、静岡県生まれ。ジュニアユース時代から将来を嘱望され、攻撃的サイドバックとして、ユース在籍時の1998年3月に高校2年でJデビュー。当時の日本代表・岡田武史監督からも高く評価され、翌月の1998年4月には史上最年少となる17歳322日でA代表デビュー(歴代2位は久保建英)を飾った。その後も「左の三都主、右の市川」で一時代を築くなど活躍を続け、2010年まで清水でプレーし、2016年まで現役を続けた。オーバートレーニング症候群などコンディションを崩した時期も長く、日本代表では通算10試合出場にとどまったが、2002年のW杯日韓大会でのチュニジア戦でのアシストは秀逸だった。その他では、太田圭輔、枝村匠馬、長沢駿、犬飼智也、北川航也、立田悠悟などが清水ユースから頭角を現した面々だが、まだ市川を超える選手は出てきていない。

■磐田:山本康裕

 1989年10月29日、静岡県生まれ。ジュビロ浜北ジュニアユースから磐田ユースに進み、高校2年生だった2006年9月にクラブ史上最年少となる16歳でJデビューを果たした。本職はボランチだが、左右のサイドハーフやサイドバックでもプレー。2009年からは主力として活躍し、テンポよくボールを配球。2021年シーズンはキャプテンとしてチームを引っ張り、J2優勝&J1復帰に貢献。デビュー当時から「ジュビロユースの最高傑作」と言われてきた中で、不振や大怪我で期待通りの結果を残せなかった時期もあったが、多くの経験を積んでベテランとなってから、より存在感を高めてきた。その他では、太田吉彰、上田康太らが磐田ユース出身者であり、今後は伊藤洋輝が出世頭となる可能性があるが、現時点では山本のクラブへの貢献度を評価したい。

■名古屋:吉田麻也

 1988年8月24日、長崎県生まれ。日本人離れした高さと鋭い読みで相手FWを封殺し、類稀なリーダーシップでDFラインを統率する、言わずと知れた日本代表の現キャプテン。小学生までは地元・長崎でプレーし、中学から名古屋U-15、U-18に所属。2007年にトップ昇格を果たすと、それまでのボランチからセンターバックにコンバートされ、2009年までDFの軸として存在感を示した。その後は活躍の場を海外に移し、オランダ、イングランド、イタリアでプレー。日本代表としては、北京、ロンドンと五輪に2度、ブラジル、ロシアとW杯に2度出場。今年のカタール大会は自身の集大成として臨む予定だ。吉田より前の時代には、山口慶が名古屋ユース育ちから主力として活躍。そして近年では、菅原由勢、成瀬竣平、さらに甲田英將と優秀なタレントが次々と誕生しており、今後が楽しみだ。だが、吉田を超えるプレイヤーを育てるのは、非常に難しいだろう。

(文・三和直樹)

暮らしとモノ班 for promotion
大人向けになった!「プラレール リアルクラス」は飾って良し、走らせて良しの再現度にときめく