つまりは、意地でも映画館に行かせる!という思いを感じるのです。僕は。

今から書く話、あくまでも噂ですが、ある人に聞いて勝手に感動したことを書きますね。「ディズニーの全てのビジネスは最終的にディズニーランドに向かっている」という話。映画を作ったり、全てのことが最終的にはディズニーランドに行かせるためだと。

 最初は「え? 嘘でしょ」と思ったのですが、よく考えてみる。例えば、今、「ファインディングニモ」のグッズを買いたいって人なかなかいないと思う。新作が公開されたら買いたくなるけど、そうでもない今、今欲しいという理由があまりない。だけど、ディズニーランドに行き、アトラクションに乗ったら、ニモグッズが欲しくなりますよね。そうなんです。体験をすることにより、過去のモノも熱くなれるのです。「今」になる。

 そう言われるとめちゃくちゃ納得してしまいましたし、本当にディズニーランドでリアルに体験するために、全てをやってるのだとしたら、どんなデジタルな試みも、全てはアナログがゴールになっているって凄いなって思うんです。

 それを聞き、この「ドクター・ストレンジ2」も、意地でも映画館に行かせる仕掛けとして、ディズニープラスを使っている気がする。デジタルの先にアナログがある。この試み、もっと増えてきそうな気がする。

鈴木おさむ(すずき・おさむ)/放送作家。1972年生まれ。19歳で放送作家デビュー。映画・ドラマの脚本、エッセイや小説の執筆、ラジオパーソナリティー、舞台の作・演出など多岐にわたり活躍。パパ目線の育児記録「ママにはなれないパパ」(マガジンハウス)が好評発売中。漫画原作も多数で、ラブホラー漫画「お化けと風鈴」は、毎週金曜更新で自身のインスタグラムで公開、またLINE漫画でも連載中。「インフル怨サー。 ~顔を焼かれた私が復讐を誓った日~」は各種主要電子書店でにて販売中。コミック「ティラノ部長」(マガジンハウス)、長編小説『僕の種がない』(幻冬舎)が発売中。

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鈴木おさむ

鈴木おさむ(すずき・おさむ)/放送作家。1972年生まれ。19歳で放送作家デビュー。映画・ドラマの脚本、エッセイや小説の執筆、ラジオパーソナリティー、舞台の作・演出など多岐にわたり活躍。

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