AERA 2022年6月6日号より
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 ウクライナ侵攻から3カ月経った今も、停戦への道筋は不透明なままだ。戦いが長期化している要因として、欧米が続ける軍事支援もその一つ。戦争は軍需産業の利益にもつながっている。AERA 2022年6月6日号の記事から紹介する。

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 対戦車ミサイル「ジャベリン」、自爆型ドローン「スイッチブレード」、155ミリ榴弾(りゅうだん)砲──。

 ロシアがウクライナに侵攻してから3カ月。軍事力で劣るウクライナに対し、欧米は武器の供与を続けている。

 ロシア軍は南部の港町マリウポリを制圧。東部のルハンスク州も9割を支配し、ウクライナ軍が抵抗を続けるセベロドネツクへの攻撃を激化させているという。こうしたロシア軍の攻勢に対し、米国はロシアの対独戦勝記念日である5月9日に武器支援の迅速化が可能となる「武器貸与法」を成立させるなどして対抗している。ウクライナのゼレンスキー大統領からの要求に応える形でもある。

武器支援が要因の一つ

 一方で、停戦への道筋は見えない。「武器取引反対ネットワーク(NAJAT)」代表の杉原浩司さんはこう話す。

「ウクライナの応戦で大きな損害を受けるなど、ロシアにとってはおそらく想定外のシナリオを強いられた結果、戦いが長期化しています。武器支援がその要因の一つになっていることも間違いありません」

 そして、こう指摘する。

「その陰で、武器を作っている欧米の軍需産業が巨額なもうけを得て利益を上げている。これも厳粛な事実であり、見逃せない点です」

「在庫一掃」的なやり方

 2月24日に始まった侵攻を機に、米国の軍需産業の株価は上昇傾向を見せている。例えば「ジャベリン」を製造するロッキード・マーチンは5月24日現在で、約12%上がった。同じくジャベリンを製造するレイセオン・テクノロジーズは一時の上昇が一段落し、侵攻時並みに落ち着いた。しかし、「スイッチブレード」を提供するエアロバイロンメントは同日現在で約34%も上がっている。

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小長光哲郎

小長光哲郎

ライター/AERA編集部 1966年、福岡県北九州市生まれ。月刊誌などの編集者を経て、2019年よりAERA編集部

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