左から廣木隆一監督と井上荒野さん、長内みはる(瀬戸内寂聴)役の寺島しのぶ、豊川悦司、広末涼子(撮影/写真映像部・松永卓也)
左から廣木隆一監督と井上荒野さん、長内みはる(瀬戸内寂聴)役の寺島しのぶ、豊川悦司、広末涼子(撮影/写真映像部・松永卓也)
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 寺島しのぶと豊川悦司主演の映画「あちらにいる鬼」が11月に公開される。直木賞作家の井上荒野が、父である作家の井上光晴と母、そして、人生のある時期に父と不倫関係にあった瀬戸内寂聴をモデルに、3人の至高の情愛を描いた長編小説が原作だ。寺島を見て、荒野さんは一言、「寂聴さんそのもの」と絶賛。この日は、主演二人と、自身の母がモデルとなる役を演じる広末涼子が初めて対面する場面の撮影で、ちょうど生誕100年を迎える寂聴さんと、父の誕生日の前日でもあった。荒野さんは「寂聴さんが天国で仕組んでいるのではないか」と奇縁を感じずにはいられなかったようだ。豊川と広末の二人が仲睦まじく歩く姿にふれ、「雰囲気があまりに似ていて、昔を思い出した」と動揺する場面も。亡き父と母、作家へと導いてくれた寂聴さんと再会したような気持ちと共に、「みなさんがスクリーンで3人の人生を生き直してくれるのを楽しみにしている」と懐かしさと期待をにじませた。(文/本誌・池谷真吾)

AERA 2022年6月24日号

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