「コンビニ百里の道をゆく」は、52歳のローソン社長、竹増貞信さんの連載です。経営者のあり方やコンビニの今後について模索する日々をつづります。
【写真】「食べよう! 日本各地のブランド米」の記者会見の様子
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ローソンでは今年度から、「地域密着×個客・個店主義」を掲げ、より一層、地域のお客様一人一人に寄り添うお店作りを目指しています。その一環で、この7月から来年5月にかけて、2カ月に1回、各地の単一ブランド米のみを使用したおにぎり2種類を発売していきます。
ローソンは2002年に「おにぎり屋」という暖簾をかかげ、新潟コシヒカリを使用して具材にもこだわった高価格帯のおにぎりを他のコンビニに先駆けて発売しました(19年4月から「金しゃりおにぎり」シリーズへと変更)。ただ、全国の米どころのお客様からすれば、「地元のお米を食べたいな」という思いを持つ方もいるかもしれません。実際に、そんなお声を地域地域のオーナーさんやお客様から聞くこともありました。また、自社農園「ローソンファーム」を全国17カ所で展開する私たちとしては、もっと、各地の農業を盛り上げていきたいと考えています。
そんな強い思いから、その土地その土地で取れたお米でおにぎりを作り、「全国お米の味めぐり」のような形で全国の皆さんに食べていただく挑戦を始めたところです。
それぞれのお米には、各々の特長や良さがあります。具材は、産地が同じエリアのものや、そのお米と相性の良い食材を使用します。北海道のブランド米「ふっくりんこ」で作るおにぎりには北海道秋鮭を使用した焼鮭ほぐし大葉味噌を、といった具合です。
地域のお米を、という発想はおにぎりにとどまりません。11年から開始した「まちかど厨房」では、店内で炊飯したご飯を使用していますが、今年5月から北海道の店舗限定で、使用するお米を北海道産「ふっくりんこ」に変更し、その他の地域でもそれぞれのエリアのお米を使用していくことを検討しています。とことん、米にこだわるローソンを目指します。
竹増貞信(たけます・さだのぶ)/1969年、大阪府生まれ。大阪大学経済学部卒業後、三菱商事に入社。2014年にローソン副社長に就任。16年6月から代表取締役社長