首里城焼失から1ヶ月。沖縄出身の歌手・GACKTさん(46)は、火災翌日には自身のインスタグラムで「動く」と宣言し、一週間後には「首里城再建アイテム」を販売することを発表した。そこに込めた思いと覚悟は。
病弱だった幼少期を過ごした沖縄への「愛情」、本土で受けた差別、近代化する故郷に対する自身の考え方も明かした。
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――GACKTさんがSNSで「一日も早い復旧復興のため、ボクも動いてみる」と宣言したのは、焼失の翌日でした。その後すぐに「首里城再建グッズ」の販売を発表しています。改めて、その思いを聞かせてください。
火災があったときボクは海外にいて、夜に「燃えている」という連絡があったけど、最初は何のことなのか理解ができなかった。ニュースで映像を見ても、最初はCGかフェイクニュースかと思ったぐらい。それが現実だと知って「うそだろ……」と、あまりにもいたたまれない思いだった。
その後に、沖縄の人たちや首里城に行ったことがある人、沖縄や首里城に何か思い入れのある人たちから「一緒に動いてほしい」「自分にできることがあればやりたい」とたくさんのメッセージが送られてきた。もちろんボクも動こうとは思っていたけど、そんなにたくさんの人が「動いてほしい」と言ってくるとは思わなくて。普段からインスタのメッセージはすべて見ているけど、今回はとにかくすごい量だった。それもあって、翌日には「やる」と宣言したんだ。
その後、事務所の人たちに「やるべきことがあると思う」と話して、みんな「そう言うなら、やるしかない」と応じてくれた。
個人的に寄付もするけれども、それだけだと役目を果たしていない。考えを強要するようなものではないけれど、表に立っている以上、少しでも力になりたいと思ってくれる人を増やすことがボクらの仕事だと。だから、ただ「寄付しました」ではなく、参加できる場をつくることに意味がある。