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 2年前の春、出勤しようと玄関を開けると、玄関ポーチでへたった子を発見。とても見過ごせず、内心困ったと思いつつも抱き上げて獣医さんに向かいました。

 診察の結果、特に異常なく、空腹で弱っていただけと判明。すんなりと私に抱き上げられたのに、ハッと我に返ると、片手にのるほどの小さな体で、精いっぱいの威嚇を続けます。怖くてたまらなかったんだね。

 ケージの中でしばらく慣らす間も、近づくとシャーシャー威嚇するので、名前はそのまま「シャアちゃん」になりました。

 慣らし期間が終わり、リビングに出してやると、先住猫のミーちゃんとシーちゃんと3匹で鼻をつけ合い、先輩たちにはシャーとも言わず、すんなりわが家の一員になりました。先住の2匹も数年前に保護した野良猫の兄弟ゆえ、同じ匂いがしたのでしょう。

 図らずも多頭飼いするはめになりましたが、3匹そろって食事する姿(写真右からシー、シャア、ミー)は本当に可愛いです。

 猫トイレも三つあるのに、一匹が用を足していると、次の一匹が順番を待っていたりします。2階への階段で3匹が上り下りの追いかけっこをしたり、2匹がケンカを始めそうになると、残りの一匹がすかさず高いところに避難したりするなど、見ていて飽きません。

 ふと見ると、3匹がそれぞれのお気に入りの場所で思い思いに過ごしています。丸くなって眠っている子、外の景色を眺めている子、毛繕いをしている子。何の変哲もないこうした日常に、心から幸せを感じます。

 息子3人が独立して夫婦2人になった生活に、縁あって加わった3匹の雄の猫ちゃんたち、幸せを気づかせてくれてありがとう。そして、いつも私のわがままを聞き入れてくれるダンナ様にも、本当にありがとう。

(近藤千恵さん 岡山県/63歳/自営業)

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