
近頃、強烈な個性を持った美容院が流行っているという。そう聞けば、調べて行ってみたくなるのが「記者魂」というもの。しかし個性的な工夫とやらのほとんどが、女性客を対象にしたものばかり。
当たり前といえば当たり前だが、世のお父さんを対象に特化した美容院はないのか? むきになって調べたところ……。あった、これだ!
「おかえりなさいませ!」
ここは東京・秋葉原。実は記者は、電化製品を買いに行くことはあっても、萌えを求めて足を踏み入れたことはない。趣味嗜好が違うからだが、それはさておき、男性に相応しい店はここしかない。あえてメイドがカットする美容院を訪ねてみた。

カットは6千円から1万4千円まで。幅広い料金設定に驚いていると、メイドさんがソファーに座るように促してくれた。彼女は細かく書かれた料金表を示してくれながら、こちらの目を見つめる。ハンドケア、肩トントン(!)、チェキ、お菓子アーン(?)などのサービスの有無による違いだ。
ふと気がつくと、王様カット(1万1千円)を選んでしまっていた。
まずはカーテンで仕切られた半個室に案内された。担当者は、店長で「永遠の21歳」すみれさん。非現実的なイメージを守るため俗っぽい話題を避けつつ、素早く的確にちょきちょき。外見と技術のギャップに、こちらは次第にどぎまぎ。

シャンプーは、アシスタントのれいかさんの出番。
「シャンプーだけも受け付けているんです。毎日通う会社員さんもいらっしゃいます」
シャンプー代は、最もお安いのが2千円。やはり各種オプションがあり、王様スパなら1万円になる。
頭皮スパも頼んでみたら、入念にやってくれる。洗髪の時にも感じたが、思いのほか指の力が強い。実はしっかりとした経験を積んでいるとみた。
れいかさんは以前は有閑マダムが利用する店で働いていたそうで、