「(前略)言論人は正しいことをいった報いで襲撃されたりする。私たちは素手と言葉で自分の身を守るしかない。宮台真司氏が傷だらけになっても、致命傷を避け、抵抗したように。」
そうなのかもしれない。ものをいうには、素手と言葉で自分の身を守るしかない。道を歩いていて唾(つば)を吐かれたり小突かれたりは、すでに経験済みだ。安全対策のため、その先のフェーズも見越しておいたほうがいいだろう。
あたしは生きたい。死んでないから生きているという感じではなく。だから、来年もその先も、死ぬまで言葉を発しつづける。それが正しいことであれ、そう願っている。
室井佑月(むろい・ゆづき)/作家。1970年、青森県生まれ。「小説新潮」誌の「読者による性の小説」に入選し作家デビュー。テレビ・コメンテーターとしても活躍。「しがみつく女」をまとめた「この国は、変われないの?」(新日本出版社)が発売中
※週刊朝日 2022年12月30日号