大宮エリーさん(左)と宮田裕章さん(撮影/写真映像部・高橋奈緒)
大宮エリーさん(左)と宮田裕章さん(撮影/写真映像部・高橋奈緒)
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 作家・画家の大宮エリーさんの連載「東大ふたり同窓会」。東大卒を隠して生きてきたという大宮さんが、同窓生と語り合い、東大ってなんぼのもんかと考えます。9人目のゲストはデータサイエンティストの宮田裕章さんです。

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*  *  *

大宮:最近、いろんな人と話してると、宮田さんの話がよく出て。

宮田:あ、本当ですか。

大宮:そうです。だけど、みんな、宮田さんのことをあんまり詳しく教えてくれなかった……。

宮田:なるほど。正体不明のまま、謎の場所に来たわけですね(笑)。

大宮:一応調べたんですよ。ネットに「データサイエンス」って書いてたけど、なんだろうみたいな。

宮田:簡単に言うと、科学を使って、社会をよりよくする、ということをやりたい人間です。

大宮:そこでデータを使おうと?

宮田:今の時代はデジタル、ひいてはデータが、社会のあり方を大きく変えていきます。この考えをベースに実践していくのが私の方式です。

大宮:ほう。やっぱりデータが世の中を変えるんですか。

宮田:データというか、まあデジタルですね。大量消費、大量生産の時代になって、お金がもっとも分かりやすく価値を示す手段になりました。ですが、これからの時代は、お金だけではなくて、データがさまざまな価値を可視化します。その上で、社会とかわれわれが、生き方そのものを考えていけるのです。

大宮:データが変えていく社会は、人に優しい社会?

宮田:デジタルだからこそ、寄り添えるものがあるんです。

大宮:例えばどんなことを?

宮田:今、シングルマザーに対するプロジェクトを行っています。日本のシングルマザーの貧困率は、途上国を含めても非常に高いのです。女性の働き手のうち、半分は非正規雇用なんですね。そこにもし病気になってしまったら……。貧困になる要因がたし算じゃなくて、かけ算で重なるわけです。けれども、たし算のように支援をする仕組みしかない。デジタルを使えば、かけ算のような形で、苦しみに寄り添う仕組みを作ることもできると考えています。

大宮:でも、シングルマザーの家庭すべてに戸別訪問できないですよね。どうやってデータを取るんですか。

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