Batis 2.8/135
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Batis 2.8/135
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α7用手ブレ補正内蔵中望遠レンズ

 先月のシグマ135mmF1.8DG HSM│Artの記憶がまだ新しいが、今回はツァイスの同焦点距離のレンズだ。シグマより開放F値が1段以上暗くなるが、歴史を感じさせる仕様である。

 Batis(バティス)シリーズはα7シリーズ用のEマウントで35ミリ判フルサイズをカバーする単焦点レンズ。これで4本目となり現時点ではもっとも長焦点のレンズとなる。

 気になるのは突出したスペックではないのにアポゾナーのレンズタイプを採用していることだ。レンズは11群14枚構成で、ちょっとありえないと思えるほどのぜいたくさで、徹底した高性能が図られている。フローティング機構も採用されている。

 この135ミリでも、Batis共通の有機ELを使った距離指標表示がある。とはいえ、長焦点レンズということもあり、事前に目測で合わせるような用途では、さほど有用ではない。

至近距離での撮影。合焦点は素晴らしくシャープだがこの条件では合焦点から後ろの線のボケがややうるさい●α7 R II・AE(絞りf3.2・1000分の1秒・-0.7補正)・ISO100・AWB・JPEG
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至近距離での撮影。合焦点は素晴らしくシャープだがこの条件では合焦点から後ろの線のボケがややうるさい●α7 R II・AE(絞りf3.2・1000分の1秒・-0.7補正)・ISO100・AWB・JPEG
距離表示窓。メートルとフィートの切り替え可能。遠距離と近距離とで被写界深度表示が異なる
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距離表示窓。メートルとフィートの切り替え可能。遠距離と近距離とで被写界深度表示が異なる

デザイン
Batisシリーズおなじみのフルブラックの落ち着いたデザイン。フォーカスリングの幅も広い。フードも鏡胴の先端部の曲線に合わせた美しい形状。α7系のカメラとのバランスがいい

使用感・操作感
AFは気持ちよく合焦し、スピードも文句なし。開放絞りでのフォーカシングの信頼度はさすがに高い。手ブレ補正の効果も期待できる。水やホコリが入らないようマウント部にシーリングもある

描写性
高性能で、開放でも完全な実用性があり合焦点の線が細い。絞りによる画質変化はない。特別に大口径というわけではないが、焦点距離相応の圧縮効果と大きなボケは得られる

◆赤城耕一

●焦点距離・F値:135ミリ・F2.8●レンズ構成:11群14枚(特殊低分散ガラス8枚)●画角:18°●最短撮影距離:0.87メートル●最大撮影倍率:1:5.3●フィルター径:φ67ミリ●大きさ・重さ:φ98×120ミリ・614グラム●価格:税別23万4000円(実売23万9760円)●URL:https://www.zeiss.co.jp/