竹増貞信/2014年にローソン副社長に就任。16年6月から代表取締役社長
竹増貞信/2014年にローソン副社長に就任。16年6月から代表取締役社長
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「コンビニ百里の道をゆく」は、53歳のローソン社長、竹増貞信さんの連載です。経営者のあり方やコンビニの今後について模索する日々をつづります。

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 プロ野球が開幕してもうすぐ1カ月。今シーズンは選手、ファンともに、これまで以上に盛り上がりそうな予感がしています。なぜかと言えばもちろん、あのWBC(ワールド・ベースボール・クラシック)での体験があるからです。

 WBCは日本中に元気と感動を与えてくれました。何よりも試合から感じる「熱」が、ファンにも響いたのだと思います。

 メジャーリーグの選手でさえ「こんなふうに夢中になったのは高校生のとき以来だ」と言っていたように、とにかく各国の選手が純粋に野球を楽しみつつ、かつ「とにかく勝ちたい」という一心で戦い、そのことでチームが一丸となる。そんな空気を強く感じました。全員が「グレードアップした高校球児」のような、野球への思いの純度の高さを感じる大会でした。

日本が世界一になったWBC。この体験を経て日本のプロ野球のレベルが跳ね上がっていくことに期待します
日本が世界一になったWBC。この体験を経て日本のプロ野球のレベルが跳ね上がっていくことに期待します

 プレー自体も質が高かった。エラーやミスでゲームの勝ち負けが決まることがなく、本当に全身全霊、高い次元でゲームが行われていました。

 準決勝と決勝の日本チームの試合なんて「すごすぎる」のひと言。あれだけの選手が集まって純粋に野球に打ち込んだら、当然ながらすごい試合になるのだな、ということをまざまざと見せつけられた気もしました。

 また大谷翔平選手やダルビッシュ有選手が、自分の野球への打ち込み方や考え方を惜しげもなく見せることで、他の選手にも刺激を与え、チームとして素晴らしい連携ができていったのではないかとも想像します。

 このWBCでの体験を経て日本のプロ野球のレベルがどんどん跳ね上がっていき、いつかはメジャーリーグの1位と日本のプロ野球の1位とでワールドシリーズが行われる……。なんてことになればすごく楽しいなと思ったりもします。

 何はともあれ、今シーズンの熱闘に期待します!

竹増貞信(たけます・さだのぶ)/1969年、大阪府生まれ。大阪大学経済学部卒業後、三菱商事に入社。2014年にローソン副社長に就任。16年6月から代表取締役社長