
プロジェクトで習った通り、最初に片づけたのはキッチン。これまで、コンロの上には鍋が出しっぱなし、使ったお皿はシンクに置きっぱなし、という状態で、食器棚はむしろ空っぽでした。不要なモノを手放し、モノの定位置を決めると、見た目もきれいで使いやすく変わりました。
カウンターに山積みになっていた郵便物や紙類もすぐに“いる・いらない”を分類するようになると、置きっぱなしにすることもなくスッキリ!
一人暮らしで家を離れている長男は家の変化に敏感で、「すごく変わったね!」と気づいてくれました。かつてモノの多さに不満を抱いていた夫も、家にいるときは機嫌がいい日が増えました。
「今まで、私は考えてばかりで動くということをしていませんでした。片づけの本を読んだだけで、できるような気になって、実際は全然動いていなかった。『これを買えば上手に料理ができるかも』と思って道具を買っても、使いもせずにモノを増やしただけ。今は、少しでも動くことの大切さがわかったので、何か買うときも『ちゃんとそこまで行動する?』って自問しています」

彼女は“やろう”と決めたことを“やりきる”という、自分との約束を守れるようになりました。これは、今までネガティブだった彼女が、自信を取り戻せるようになった大きな一歩です。
「いつも自分で自分にダメ出しをしていましたね。仕事でも自分に自信がないと言動がブレちゃって、うまくいかないことが多かったです。でも最近は、『自分が合っていると思うことをやるしかない』と意識が変わりました」
彼女は、今後は家の中をブラッシュアップしつつ、仕事にも片づけで得たことを生かしていきたいと語ってくれました。
「片づけも仕事も、優先順位をつけて一つずつ完了していくというところが同じですよね。終わらせていくと、少しずつ『やればできる』という感覚になってくるので、私みたいに自信のない人にこういう経験をしてほしいなと思います」
話しながら、彼女は時折「まだまだですけど……」と謙遜のような自信のなさをのぞかせることもありました。でも、45日間という短期間で家を片づけられたのです。これからも少しずつ自分との約束を守って、大きな自信をつけてくれることでしょう。そのときは、もっと成長した彼女自身の話を聞かせてくれるはずなので、今から楽しみです。
