
5000件に及ぶ片づけ相談の経験と心理学をもとに作り上げたオリジナルメソッドで、汚部屋に悩む女性たちの「片づけの習慣化」をサポートする西崎彩智(にしざき・さち)さん。募集のたびに満員御礼の講座「家庭力アッププロジェクト®」を主宰する彼女が、片づけられない女性たちのヨモヤマ話や奮闘記を交えながら、リバウンドしない片づけの考え方をお伝えします。
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case.101 自分との約束を守ることが大切 夫・子ども3人/教育関係
「片づけが苦手」という人は、本当に片づけができないのでしょうか? もしかすると、そうやって思い込んでいるだけかもしれません。
片づけというのは、出したモノを元に戻すだけのシンプルなことです。この行為自体は難しいことではありません。でもそれができないということは、モノの定位置が決まっていない、モノが多すぎて収納するスペースがない、などの原因があります。
その原因を解決すれば片づけはできるはずなのに、「私にはできない」「苦手だ」と悩み、苦しんでいる人がたくさんいます。
彼女もその一人でした。
「小さな頃から片づけは苦手でした。結婚してから夫の仕事の関係で5回引っ越して、海外にも行きました。そのときに日本に荷物を全部置いて行ったので、向こうでは快適に暮らしていたんですが……」
10年ほど前に日本に戻ってきたとき、残していた荷物の多さに愕然としました。
「こんなモノまでとっておいたんだ!と自分で驚きました。そこからキャパを超えてしまったというか、手に負えなくなってしまったんです」
もともと気に入ったモノを集めるのが好きな彼女は、夫から「モノを減らしてほしい」と言われたことがありました。そして、子どもが生まれてからはさらにモノが増え、片づけに悩むようになりました。
毎日探し物をするようになり、彼女自身もイライラする日々。図書館で“片づけ”と名のつく本を読み漁りましたが、家はきれいになりませんでした。
「小さな頃から親に『あなたは片づけられない』『のろまだね』とよく言われて、自分はそうなんだなと思っていました。自分でも『それならしかたないよね……』と甘えみたいな感じもあったと思います」