
とにもかくにも、悔いなく全力で
おじいさまの三笠宮崇仁さまも野球好きで、少年時代によくプレーされ、ユニホームの胸には「青山 澄宮」と、当時の住まいの場所と御称号が入っていた。おばあさまの百合子妃も、女子学習院時代に友人の父から入場チケットを譲られ神宮球場の試合を見にいっていたという。
「ルールをよくご存じで、いつも夏はテレビで昼間は高校野球、夜はプロ野球をご覧になっておられました」
そんな百合子さまと2023年夏、大垣日大の阪口慶三監督が79歳という史上最高齢で指揮を執った試合を一緒に観戦していたときのこと。
「妃殿下が阪口監督をご覧になって、『すごいおじいさんね』っておっしゃって。ご自身が100歳におなりでいらっしゃったのに。何とコメントしたらよいか困りました(笑)」
彬子さまの高校野球好きは、おじいさま、おばあさま、お父さまから受け継がれたものでもあるのだろう。彬子さまは言う。
「やはり高校野球は、多くの選手にとって特別なものだと思うんです。甲子園に懸けた3年間とあの夏の経験は、ひときわ輝く宝物のように心に残るでしょう。将来どんな道に進むとしても糧になるはずなので、大事にしてほしいと思います」
球児たちへ贈るメッセージは「とにもかくにも、悔いなく全力でやっていただきたいです」である。
(文=藤澤志穂子)
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