「僕もたぶん、虚勢を張ってやっている部分もおそらくあるはずなんです。コンプレックスを抱えることが悪いことだとも思いません」(撮影/写真映像部・上田泰世、スタイリスト/吉川雄太)
「僕もたぶん、虚勢を張ってやっている部分もおそらくあるはずなんです。コンプレックスを抱えることが悪いことだとも思いません」(撮影/写真映像部・上田泰世、スタイリスト/吉川雄太)

考え込んで気づいた「才能」

――人と比べてしまうこともあまりなかったんでしょうか。

 比べているときは手応えがなかったというか、あまりよろしくなかったんです。だから自然と比べないようになったのかもしれません。

 落ち込むというか、考え込んだ時期もあったんですよ。でもあかんっていうか、考えて答えを出すことも得意じゃないのに何考えてんねん、って。考えて良い答えを出すのが得意な人はやったらいいというか、それが好きな人っているじゃないですか。僕はそうじゃなかった。

 僕の場合は、真剣に考えて答えを出しても、それは最初に出した簡単な答えになりそうな気がするんです。だったら思い詰めないほうがいいし、その状態でも楽しんでやったほうがいい。コンプレックスはあるけど、気にしないという才能があったのかもしれません。

――30年以上一緒にやってきた淳さんは、戦略的にさまざまなことを身につけていくことのできる方かなと感じるんですけど、それはそのイメージで合っているんでしょうか。

 あっ、それは合ってますね。そうしたほうが自分が楽しくなるんだと思います。でも、二人とも性格は一緒だと思います。思ったことをやらないとムズムズするところも僕らは似てますね。

(撮影/写真映像部・上田泰世、スタイリスト/吉川雄太)
(撮影/写真映像部・上田泰世、スタイリスト/吉川雄太)

――そうなんですね。ロンドンブーツ1号2号をもっとおもしろくしていくために、お二人で話し合われることはあったんですか。

 そんなしょっちゅうじゃないですけど、ありましたね。でもそこまで戦略的じゃなかったですよ。

――どんな感じで言葉を交わされていたんですか。

 エピソードトークでも僕はやっぱり攻撃があまり得意じゃないし、相方もそれをわかっていたから、「これは違うね」みたいな話をしたことが意外と印象に残っていますね。

――自然体の亮さんがおもしろいことを、淳さんが一番わかっているから。

 無理にやっても、つくってる感が出てギクシャクするというか。その構図もおもしろいかもしれないけど、自分にないものでやってもうまくいかなかったりするじゃないですか。

次のページ 解散で起きた「変化」