AERA DIGITALの新連載「コンプレックスの広場」に田村亮さんが登場。現在の肩書を尋ねると、悩みながら「タレント」と答えてくれた亮さん。「模索中なんですよ。タレントに<お笑い>をつけたくない。人が書くぶんにはいいけど、自分で言うのは感覚的に違うかなって」(撮影/写真映像部・上田泰世、スタイリスト/吉川雄太)
AERA DIGITALの新連載「コンプレックスの広場」に田村亮さんが登場。現在の肩書を尋ねると、悩みながら「タレント」と答えてくれた亮さん。「模索中なんですよ。タレントに<お笑い>をつけたくない。人が書くぶんにはいいけど、自分で言うのは感覚的に違うかなって」(撮影/写真映像部・上田泰世、スタイリスト/吉川雄太)
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 若手時代からブレイクし、30年以上にわたってテレビの世界で活躍を続けている田村亮さん(53)。今年6月には、田村淳さんとのお笑いコンビ・ロンドンブーツ1号2号を解散したことも話題を呼びました。これまでの人生を振り返りながら、「楽しんだり幸せを感じたりする能力が他の人より高いと思う」と話す亮さんが考える「コンプレックス」をお聞きしました。(全2回の1回目/後編に続く)

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たむら・りょう/1972年1月8日生まれ、大阪府高槻市出身。1993年、田村淳とロンドンブーツ1号2号を結成し、銀座7丁目劇場オーディションを経て吉本興業に所属。若手時代からブレイクしテレビ番組を中心に活躍する。2025年6月24日、ロンドンブーツ1号2号を解散。現在もバラエティーをはじめ、趣味の釣りやアウトドア、ランニング、車に絡んだ仕事など多岐にわたり活動している。(撮影/写真映像部・上田泰世、スタイリスト/吉川雄太)
たむら・りょう/1972年1月8日生まれ、大阪府高槻市出身。1993年、田村淳とロンドンブーツ1号2号を結成し、銀座7丁目劇場オーディションを経て吉本興業に所属。若手時代からブレイクしテレビ番組を中心に活躍する。2025年6月24日、ロンドンブーツ1号2号を解散。現在もバラエティーをはじめ、趣味の釣りやアウトドア、ランニング、車に絡んだ仕事など多岐にわたり活動している。(撮影/写真映像部・上田泰世、スタイリスト/吉川雄太)

――コンプレックスをテーマにお話を聞きたいと依頼したときに、マネジャーさんから、「亮にはコンプレックスや劣等感というものがあまりない」ともお聞きしました。そんな亮さんが思うコンプレックス観を伺えればと思ったのですが、これまでに他人や過去の自分と比較してしまうことはありませんでしたか。

 ないことはないですけど……僕、楽しんだり幸せを感じたりする能力が他の人より高いと思ってるんですよ。そこが自分の取りえでもあります。「これできへんな」「あれ足りてへんな」って考えたら、山ほど出てきて、自分のことを冷静に見られなくなっちゃうと思います。

 でも、ほとんどの人はそうじゃないですか。他のタレントさんを見て、「あの人いいな」「この人いいな」って考えたら、もうだめだと思ってて。他人の良いところばかり考えてたらキリがないって気持ちに早い段階からなったのかもしれません。

――ポジティブというか、達観というか、それは昔からですか。

 子どものころ、親からよくぶん殴られてたんですよ。でも、父親は大工の棟梁で、僕はその息子やった。「そりゃ頑固じゃないと棟梁は務まらんやろうな」とか思ってました。ネガティブに受け取らないって言ったらおかしいけど、できないことをあれこれ考え込むのをやめる能力が身についたのかもしれないです。もともとの性格かもしれないですけど。

 スポーツ選手とか、すごいじゃないですか。でも、それをうらやましいと思うほど自分は何もしてないんですよ。

――努力されてきたから、今の亮さんがあるんじゃないかと思います。

 そのレベルが周りより小さいんだと思うんです。才能がないから人の5倍やったかと言われたら、たぶん1.5倍ぐらいやと思う。ほんまは100倍やらなあかんのに、できてない。それなのに100倍やってる人を見てコンプレックスを感じるのも、なんか違うじゃないですか。

――20代でゴールデン番組のMCを経験されて、そのときに上には上がいると感じられた。そう気づいたときに、自分を見失う方もいらっしゃるのかなと思います。

 見失うと思います。でも、漠然と思ってることなんですけど、自分が自信を失った世界に入り込んだ結果いい脱出法が見つかる確率と、もともと才能がある確率って同じぐらいなんじゃないかなって。それだったら、考えて出た答えも普通にやってたどり着いた答えも同じですよね。

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