一方で「やや不満」は29.8%、「不満」は34.4%にのぼっている。
「満足」「やや満足」と回答した人の45.0%が「退職は考えていない」としたが、「やや不満」「不満」とした人では「退職は考えていない」割合は25.0%だった。
業務量や業務内容、看護能力など、賃金額に対する項目別の満足度をみると、いずれの項目でも「満足」(満足・やや満足の計)よりも、「不満」(やや不満・不満の計)の割合が多かった。
特に「不満」の割合が多かったのは「業務量」(56.2%)、「業務内容」(51.8%)、「他業種も含めた同年代・同性の平均的給与との比較」(50.4%)だった。
これまで給与がなかなか上がらなかった理由について、日本看護協会の淺香えみ子常任理事は「昇任できるポストが少なく、経験を積んでも新入職者と同等の等級の中で毎年の定期昇給のみの給与増であることがあげられる」と分析。「業務に見合った給与が支払われない現状が続くと、看護師の資格をもって、他の職業に転職する者が増える可能性がある。労働人口が減少する中で、このままでは看護師確保の困難性がさらに高まる懸念がある」と話している。
(ライター・浴野朝香)
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